アメとムチ路線2

『頭をよくするちょっとした「習慣術」』の続きです。

 アメとムチ路線でいえば、「ゼロ・トレランス運動」というものもある。トレランスというのは「寛容」という意味だから、ゼロ・トレランス運動というのは「非寛容運動」ということだ。

 寛容しない運動をできるというところが、すごいですね。

 具体的にどういうことかというと、校則に違反する、遅刻する、宿題を忘れる、そういった生徒に対しては理由を聞かずに、罰が与えられる。たとえば、遅刻を三回したら、オルタナティブ・スクールにスクールに行きなさい、ということが前もって決められている。

「理由を聞かず」というのが新鮮です。何でも理由を聞くと、理由さえあれば何をしてもいい、ということにもなるわけです。

 成績不良児を集めて、勉強ができるようにする学校や、規則を破ってばかりいる子が代わりに行く学校だとか、不適応な子どもに合わせて、多様な学校が用意されている。

こういう発想は、日本には無理かもしれませんね。多様な学校を作って運営するだけの予算もとれないかもしれません。

 つまりアメリカでは基本的に、一般の子どもが勉強できる環境を重視するシステムだから、勉強ができない子のためのクラスに合わせることはしない。できない子はオルタナティブ・スクールで勉強して、ついていけるようになったら、普通学級に戻れるようになっている。

 となれば、日本は「子どもが勉強できる環境を重視しない」システムを作っていることになります。勉強できない子・勉強しない子に合わせて、勉強できる環境を崩してしまっていることがあるわけです。

 日本の学校で、明確なアメとムチ路線を実行するのは、難しいです。
 可能なアメとムチといえば、「成績」ということになります。
 ただ通知表は、学期末しか出されないので、効果が少なくなります。
 学期末の通知表だけのために、日々の行動を律することはできません。
 そこで、もっと短期間での成績結果を目に見える形で出せないか考えてみました。各教科の単元ごとに、ミニ成績表を渡すのです。
 例えば、算数ならば、まず単元名を示します。
 そして、ノート覧・赤ねこ計算スキル覧・テスト覧などを作ります。
 ノートが丁寧に取れていたらA、少し雑ならB、ぐちゃぐちゃならCとします。(B2つで、A。C2つでB。無提出は何もなし。)
 最後に、単元の総合評価で、ABCをつけるわけです。

(2002.7.4)