期限と戦略

 本田健氏の『ユダヤ人大富豪の教え~幸せな金持ちになる17の秘訣~』(大和書房)を読んでいます。
 ユダヤ人大富豪のゲラー氏から、本田健さんはテストを受けることになりました。このテストに合格すれば、ゲラー氏から成功の秘訣を聞けるのです。
 ゲラー氏のテストは、次のようなものです。

「私はこの若者が人生で成功するのを心から応援する」と書いた紙に1000人分の署名を三日以内にもらってくる。

 初日、一日くたくたになって頑張っても、本田さんは数十人のサインしかもらえませんでした。
「根本的な何かを変えなければ、とても三日で1000人は無理だ」ということに本田さんは気づきます。そして、新たな戦略として「喜んで道行く人がサインをしてくれるような仕組み」を考えたのです。

 そこで、考えたのが、折り鶴をプレゼントすることだった。日本を発つ前に、お守りにもらった鶴を有効活用するときがきた。友人が無事を祈って折ってくれた千羽鶴を一羽一羽に分解し、袋に詰めた。そして、よく眠れないまま、次の朝を迎えた。
「さあ、この日ですべて決まる」と気合いを入れ、最初の通行人に話しかけた。
「こんにちは。僕は日本から来た学生ですが、ゲームに勝たなければ国へ帰れないんです。助けてもらえませんか?お名前をサインしてくださるだけでいいんです。お礼に紙で折った鶴を差し上げます」
 と言うと、あっという間に人垣ができた。

 そして、たった半日で、本田さんは1000人分の署名を集めたのです。
 私はこの話を読んだだけで、この本を買ったかいがあったなと、思いました。
 大切な点は、3つです。

 1.目標を決めること。(何を達成したいのかを明確にする。)
 2.目標達成の期限を決めること。(いついつまでに達成するのかを決める。)
 3.目標達成のための戦略を練り、実行すること。

  まず1が重要であり、次に重要なのが2です。
 目標を決め、達成期限を決めるからこそ、戦略を練る必要性が生まれるのです。「いつかできたらいいな」程度の目標なら、戦略を練るという発想自体が生まれません。戦略は期限によって、生まれるのです。

(2004.7.2)