廃棄ロスと機会ロス

 勝見明『セブン-イレブンの「16歳からの経営学」』(2005.11.4)に、創業者の鈴木敏文氏が次のように語られています。

「完売」は「売り手の満足=客の不満足」
「仕入れた商品が完売すれば、売り手は万々歳と考えがちです。しかし、完売後に来た顧客は欠品の棚を見て、何もないじゃないかと不満に思い、それが続くと、こんな店二度と来るかと思うかもしれない。その店は、もし商品があれば手にすることのできた売上げを失い、なおかつ、顧客を失うことになるのです。

 売れ残った商品を廃棄することを「廃棄ロス」といいます。
 売り手としては、なんとか廃棄ロスをなくしたいと思うのが心情です。
 一方、もしその商品があれば手にすることの出来た売り上げを失うことを「機会ロス」というそうです。
 廃棄ロスを恐れるあまり、機会ロスを生み出す。そうすると、顧客の期待を裏切ってしまう結果につながり、かえって損をするということです。
顧客を増やそうと思うなら、廃棄ロスを最小限にもしながら、機会ロスをしないようにしていくことが必要になります。顧客がどんな商品を求めているか、常に把握し、それにあわせて、商品を発注していくべきなのです。
 どこか教育に通じてるように思えます。

(2007.7.26)