学力研8月号の原稿です。テーマは「1学期からワンランクアップさせる2学期」で、副題を「未見の我を求めて」としました。
現状維持。
教師歴を重ねるとともに、保守的な実践をするようになってきます。自分の持ち駒だけを使って、毎日の授業・学級経営をするようになるのです。
自分の実践をワンランクアップさせるためには、現状維持を打ち破り、自分がこれまでやったことのない実践に手を出さないといけません。
右の表とグラフは、『小学算数5年下』(日本文教出版)に載っている問題です。1993年と2006年の「天然ガス輸入量の国別の割合」の円グラフを見て、表や棒グラフに直す問題です。この手の問題をするとき、多くの教師は、上の表とグラフを拡大コピーして、黒板に貼ります。
これが一つの現状です。
ワンランクアップする手だては、いくつもあります。
例えば、右の表とグラフをスキャナでパソコンに取り込み、それをプロジェクターで黒板に投射する方法です。スクリーンではなく、黒板に直接投射すれば、そのまま、表やグラフにチョークで書き込みすることができます。
拡大コピーは白黒ですが、この方法なら、カラーで、とても見やすくできます。
私の場合、パソコンではなく、iPadを使います。
自分が担当する学年の教科書は、全てスキャナで取り込み、iPadで、いつでも読めるようにしています。
iPadをプロジェクターにつなぎ、pdf-notesというアプリを使えば、教科書の選んだページを投影しながら、iPad上で指で書き込みすることができます。表やグラフを指で拡大して書き込むこともできます。
「えっ、そんなこと私には無理。」と思われた方、それが当然の反応です。
無理だと思えることにチャレンジする。
それが、自分の実践をワンランクアップ させる一番の近道なのです。新しい実践に取り組むと、新しい自分に会うことができます。未だ見ぬ我、未見の我です。私が紹介した方法ではなくていいのです。未見の我を求めて、自分には無理と思えるような実践にチャレンジしてみてください。
(2012.7.30)