富士山の白い川

『週刊朝日2013.7.12』の「マリコのゲストコレクション」に、野口健さんが登場しました。その中で、高山病対策の話が出てきます。

野口 高山病対策の基本は、水分を大量に摂って、何度もトイレに行くことなんですよ。僕、このあいだ富士山に登ったとき、水分を2リッター半か3リッター飲んで、トイレに13回ぐらい行きました。富士山を訪れる年間三十数万人の登山客がそれをやっていたわけですよ。
 うわっ、ちょっと想像できない。
野口 今はバイオトイレですけど、前は、たまったら全部ジャーッと流していましたからね。おしっことうんちと紙の3点セットが、山肌にずーっと流されていくんです。おしっことうんちは浸み込みますけど、紙は残るので、三十数万人分が毎年たまっていくんです。夏の富士山は白い川があると言われていたんですけど、正体はトイレットペーパーで、それはすごかったです。

 今回、富士山は世界遺産になりました。そのことで、登山客は例年以上に増えるでしょう。入山規制も入山料もまだ決まってないので、大変なことになると、野口健さんは予想されています。
 山に登って自然に親しむというけれど、そのことが自然破壊につながっているかもしれないことを考えるべきですね。

(2013.7.8)