伝記から主語と述語

 伝記「手塚治虫」で、診断のための学習をするにはどうするかを考えます。

 治は体操は苦手だったが、図画や工作は得意だった。

「「苦手だった」の主語は何ですか。」
「「得意だった」の主語は何ですか。」
 一つに絞ると、「治は体操が苦手だ。」となります。
 これは有名な「象は鼻が長い」タイプです。
 言語学者の三上章が、『象は鼻が長い~日本語文法入門』を書いています。
 三上氏は、象は主題であり、鼻が主語になるとしています。
 象についていえば、鼻が長い。となるわけです。上記の文も、
 治についていえば、体操が苦手。図画や工作が得意。となるのです。
 上記の文章で、主語・述語を扱うと、子どもが混乱しそうなので、むしろ扱わない方がいいでしょう。大人相手にはいいかもしれません。

母は、子ども向けのまんが本を、よく買ってきてくれた

 下線の「買ってきてくれた」の主語は、「母」です。
 このとき、主語の見分け方は、「~が」と表現できるかです。
 母が買ってきてくれた。ならOK。まんが本が買ってきてくれたは、変です。
 伝記の扱いとは別に、主語と述語の学習もするのも面白いです。

(2013.7.29)