授業記録を削る

 参観の授業記録から、無駄な言葉を削ってみよう。(  が削る部分。)

『教科書、上の方、64ページを開いたらすわりなさい。』
『花丸2、指で押さえなさい。69ページです。』
『69ページ。上の方です。上の方、前の方。』
『花丸2、指で押さえなさい。』
『となりの人とくらべなさい。同じですか。』
『一度読んでみましょう。はる子さんです、さんはい!』
「はる子さんのくみには、いろがみが300まいありました。そのうち、175まいつかいました。なんまいのこっていますか。」(一斉)
『よく声が揃っています。はい、全員起立。』
『教科書を持って、後ろを向きなさい。サービスです。』
『行きます。さん、はい!』
はい、よく言えました。』
『何のお話か、わかる人、すわりなさい。』(10人ほど残る。)
『これは、カレーライスを食べるお話じゃないよね。』(→ですか)
『アンパンマンがバイキンマンをやっつけるお話ですか。』
「ちがう。」
『何の話だ。ちょっとでもわかったらすわりなさい。』
『○○くん、何のお話ですか。』
「いろがみがなくなるお話です。」
『うん、いいですね。80点。』
はい、それ以外?○○くん。』(→少し違う人)
「おりがみをつかう話。」
これは、おりがみ、なるほど。これは、0点。』(笑いあり。)
『よく言うた。言うたのはいい。ちょっと違うな。いろがみです、おりがみじゃありません。』(→ない)
はい、○○くん。』
「いろがみをつかう話。」
『いろがみをつかう話。100点。』
『つかう、って書いてあるね。みんなで言ってみよう、さんはい。』
「いろ…」
『みんなで言うんだ。いろがみを使うお話。さんはい。』
「いろがみを使うお話。」(一斉)
はい、立ってる人だけで言ってごらん。』
「いろがみを使うお話。」
『はい、よく言えた。すわろう。』
『聞いてることに線を引きなさい。』
『定規を使うんですよ。』
『引けたら、引けました、と言いましょう。』(→なさい)
「引けました。」「引けました。」
『速いな。速い子は賢い。』
『まっすぐ引けてますか。まっすぐな線で引くんですよ。』机間巡視。
『あっ、これダメ。まっすぐな線じゃありません。定規使いなさい。』
『○○さん、線引いたところ読んでごらん。』

「まっすぐな線」というのをくり返して言ってるのは、授業の後半に、「三角形と四角形」の単元に入り、そこで「まっすぐな線を直線といいます」と習うからです。
 私は自分に厳しくできない質ですから、スパスパと言葉を削れません。
 たくさん、私はしゃべっていますが、ほとんどが指示や評価です。
 長々と話すのは、昔から苦手でしたから、「説明しない」向山型算数は、私の性に合ってるともいえます。
 しかし、説明しないからといって、向山先生のように子どもへの語りかけができるわけではありません。そこらへんを修行せねばなりません。

(1999.9.24)