台風の定義をご存知ですか。
北太平洋の南西部に発生する熱帯低気圧のうち、最大風速が毎秒17.2メートル以上に発達したもの。直径数百から千キロメートルほどの渦巻で、風は中心に向かって反時計回りに吹き込む。風速は中心から数十キロメートル離れたところが最大で、中心では静穏になっていることが多い。また、進行方向に対して右側が強い。[季]秋。
三省堂提供「大辞林 第二版」より
最大風速17.2m以上という基準があるのです。
なぜ17.2mという半端な数字なのでしょうか。(後述します。)
また、17.2m/sというのは、どのぐらいの風なのでしょうか。
風速(秒速)と被害の目安
10m/s 樹木全体が揺れ、電線が鳴る。雨傘をさしていると、壊されることがある。
15m/s 取り付けの悪い看板が飛ぶことがある。
20m/s 身体を30度くらいに傾けないと立っていられない。風に向かっては歩きにくい。子供は飛ばされそうになる。
25m/s 屋根瓦が飛ばされる。樹木が折れる。煙突が倒れる。
30m/s 雨戸がたわんで、敷居から外れ吹き抜かれる。屋根が飛ばされることがある。
しっかりしていない家が倒れる。電柱が倒れることがある。
35m/s 列車の客車が倒れることがある 。
40m/s 身体を45度に傾けないと倒れる。小石が飛ぶ。
50m/s たいていの木造家屋が倒れる。樹木は根こそぎになる
60m/s 鉄塔が曲がることがある。
http://www.bo-sai.co.jp/typoon.htm
現在、九州近くに来ている台風14号は、最大風速が45mです。
大変な台風が近づいていることが分かるのではないでしょうか。
風速17.2m以上が台風だという基準の不思議さを質問した人は、やっぱりいました。「森田さんのお天気ですかア?」のホームページのQ&Aに載っています。森田さんのAだけ、紹介します。
確かに、17.2m/sというのは中途半端な数字ですよね。でも、この数値に決定した理由や経緯は大してないんですよ。
これは、ラジオの気象通報などで使われている、風力階級による風の強さから決められた数字なんです。つまり、航海する船員さんの安全を考えて、風力8以上を台風とする約束を国際的に決めているんですよ。
ちなみに、この数値は何度か変わっていて、昭和28年ごろまでは、現在の1.2m/sの約2倍の33m/s以上を台風と言っていたんですよ。
http://www.tbs.co.jp/morita/qa_taihu/faq_981117.html
なるほどと思いながら、なぜ風力8が17.2m/sなのかが疑問となります。
風力(ふうりょく)とは、風の速さを表す風速に対して、風が物体に与える力を定義したものである。
風力を定義したものとして、気象庁では気象庁風力階級を使用している。気象庁風力階級は国際式のビューフォート風力階級を基に作ったものである。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ビューフォート風力階級によると、風力8は、風速17.2~20.7m/sとなります。 結論として、海外との使われる単位の違いによって、17.2という半端な数字になった、ということでしょうね。
風速にこだわってみるだけでも、面白い授業になりそうです。
(2005.9.5)