6年国語に「コミュニケーションと心のドア」という教材文がありました。
かみの色、はだの色、背の高さ、体の大きさ……世界じゅうには、さまざまなちがいを持った人がたくさんいます。初対面の人に対して「ここがこんなにちがう」ということは簡単。でも、「ここは同じ」という共通点を探してみたことはあるでしょうか。(中略:荒井)
心のドアを開いて、友達や周りの人たちと話してみませんか。そして、いろいろな人と共通点を探してみましょう。意外にも、同じアニメが好きかもしれないし、(中略:荒井)
ちがいばかりを見て心のドアをとざしてしまうより、心のドアを開いて、共通点を探してみましょう。
教科書では、この後、インタビューゲームが紹介されていました。自分の好きな人や物、好きなことをカードに1つずつ書き、そのカードを元に同じ好きなことについて話し合っていくというものです。多分、うまくいかないでしょう。
そこで、齋藤孝氏の偏愛マップをさせることにしました。
【ステップ1 偏愛マップを作ってみる】
1) 白い紙を用意する
2) 紙に自分の大好きなことを書き込む
3) 「好きな映画は?」「好きな本は?」「好きな俳優は?」「好きな場所は?」
「子どものころ偏愛していたものは?」「好きな乗り物は?」など、具体的に答えていくことがポイントです。
4) 誰かと一緒に作るのも1つの方法です「そういえば、あれ好きだったよね?」とか、質問を互いに投げかけながら作ると、それ自体が楽しい、偏愛マップ・コミュニケーションになります。
【ステップ2 偏愛マップを使ってみる】
1) 偏愛マップを作ったら、次は、それを実践してみましょう。
2) 会話相手と、互いのマップを交換し、それを見ながら会話をする。
http://books.rakuten.co.jp/RBOOKS/pickup/henI/より
偏愛マップを作り、お互いに交流することで、お互いの共通点を見いだし、それを元に会話する。まさに、今回の教材にピッタシの方法です。
授業ですが、まず教科書の連れ読みと一人読みをさせました。
次に、ノートに好きな物や好きなことを5つ書かせて、持ってこさせ、全員に1つずつ板書させました。
いきなり偏愛マップを書かせると、何も書くことが思いつかない子が必ず数人は出てきます。
最初のステップとして、好きな物やことを短く書かせ、みんなの前で出してみるというのが大事なのです。
これが、段差を作るという一つの技なのでしょう。
(2007.9.8)
子どもたちから出された好きな物・好きなことは以下のようなものです。
亀(古川) スポーツ(平瀬) サッカー(浮島) サッカー(小西)
つり(上田) 歴史(乾) 本(藤本) 野球(奥原) つり(三宅)
伝法めぐりのたび(荒田) エヴァンゲリオン(中) ドッヂボール(銭谷)
生き物を育てること(石田) スポーツ(山本) 友達とあそぶこと(高木)
パソコン(宮田) カードゲーム(高島) パソコン(舩倉)
バトミントン(川端) キックベースボール(小林) スティッチ(神谷)
バトミントン(阿河) 犬(中野) キックベースボール(酒井)
マンガ(石丸) 工作(桂) 6-2のみんなとトラのぬいぐるみ(久瀬)
かいもの(早川) 犬(糸井) 友達としゃべること(久田)
キックベース(田中) コナンがすき(小島)
一つ一つ本人言わせていきます。その時、自分も好きな人は手をあげさせました。こうすることで、結構、同じ物やことを好きな人がいることを知ることができます。(ちなみに、「6-2のみんなとトラのぬいぐるみ」を書いたのは、担任の先生です。今回は担任の先生にも偏愛マップを書いてもらい、子どもたちと一緒に交流してもらいました。31人で一人席が空いていたからもあります。)
この後、偏愛マップを書かせていきました。(実物はサークルにて。)
(2007.9.9)