水のかさ・第1時

 3年算数「水のかさ」の第1時を授業しました。
 いつもなら教科書を元に授業を組むのですが、今回は教科書を一切使わずにしました。というのも、教科書の流れが個別単位で測るからになっていたからです。
 量の四段階指導を銀林浩編『わかる教え方 算数2年』(国土社1992.3.10)から抜粋します。
(「水のかさ」は以前、2年生で教えていたのです。)

① 直接比較…一方の水がどこまで入っていたか、印をつけてから水をあけ、その容器にもう一方の水をあけ、
       その容器にもう一方の水を入れて、水面の高さで比べる。
② 間接比較…ビールびんとやかんに入っているように、そのままで比べられないときには、第3の容器である水槽に移しかえて比べます。
③ 個別単位…「どちらが何を使って測ると何杯分多い(少ない)」というように、液量を数値を使って表す。
④ 普遍単位…昔、みんなが勝手に、自分の都合のよいますやものさしで測って表しても、
       物々交換や交易ではきっと通用しなかったでしょう。当然そういうときには共通のものさしやますが使われました。

 今日は、直接比較・間接比較と演示し、個別単位での測定を班でさせ、そこで普遍単位の必要性を気付かせ、共通のますで測定させました。
 子どもが見やすいように、食紅で水に色をつけておきました。
 まず、あきらかに量の違う容器に水を入れ、どちらが多いかを聞きました。
 次に、どちらが多いか分からないような2つの容器に水を入れ、どちらが多いか問いました。当然、予想が分かれます。
「どちらが多いか、どうやって調べたらいいですか。」
 調べ方をノートに2つ書けたら、持ってこさせました。

・ながさをはかる。(藤田)   ・おもさをはかる。(北岡)
・太さをはかる。(遠藤)    ・まずびんのおもさをはかって、つぎに水をいれてはかってそのびんのおもさをひく。(伊藤)
・同じいれものを二つよういしていれてたくさんたまったほうが多い。(蔭山)
・もってしらべる。(山本)   ・グラムでしらべる。(大杉)
・たかさをはかる。(井上)   ・コップの何ばいぶんかしらべる。(高戸)
・同じペットボトルにいれてしらべる。(三坂)
・同じコップの大きさの物にいれる。(熱田)

 北岡・伊藤・山本・大杉くんら4人は重さを比べる方法です。まだ重さの学習をしてないようなので、「今日は測る道具を持ってこなかったので、これはできません。」としておきました。
 藤田・遠藤・井上くんらの長さ・太さ・高さは、それだけでかさの多さを比べられないことをいくつかの容器を見せて、確認しました。
 蔭山・三坂さんらは間接比較の調べ方で、高戸・熱田さんらは個別単位での調べ方です。
 直接比較の調べ方は出なかったので、私の方でやってみませました。
 片一方の容器の水がどこまで入っているか確認し、その水をバケツに捨てます。
 そして、その容器にもう一方の容器に入っている水を入れるのです。
 次に、別の2つの容器に入った水のどちらが多いかを予想させた後、間接比較の調べ方を演示しました。大きいコップ(第3の容器)に、どのぐらい入るか、それぞれ調べて比べたのです。
 その次は、班での実験にしました。班でそれぞれ調べる水の容器が違います。
 さらに、それを何杯か測るコップの方も、大きさが違います。

1班…16ぱいちょっと  2班…3ばいとちょっと  3班…4はいちょっと
4班…3はいちょうど   5班…11ぱいちょうど  6班…7はいちょうど

 この結果だけ見ると、水のかさが一番多いのは1班ということになります。
 でも1班のびんは見るから小さいのです。何しろ、1班にはフレッシュの容器で測らせたからです。ここで、測るものを同じにしないといけないという意見が子どもたちから出され、全班フィルムケースの容器で測ることになりました。

1班…4はい半分   2班…15はい      3班…11ぱいちょっと
4班…9はいはん   5班…14はいちょうど  6班…21はい半分

 普遍単位の必要性が少しは分かったのではないでしょうか。

(2007.9.10)