『週間朝日2010.9.24』の連載「未来の原石たち」の中に、東京大学情報理工学系研究科教授、石川正俊さんの研究成果が紹介されていました。
これを仮に授業化してみます。
①ドラえもんの秘密道具に、どんな物がありましたか。(マルチ発問)
②その中に、将来的に実現できそうな物はありますか。
③では、「必ずジャンケンに勝つ道具」は作れるでしょうか。
④実はあるのです。超高速の動体視力(1000分の1秒)で相手の手の動きを読み取り、わずかに(1000分の1秒)後出しして勝つのです。
⑤「必ずジャンケンに勝つロボット」を作ったのは、どこの国の人でしょう。
⑥「百発百中で打てるバット」は作れるでしょうか。
⑦実はあるのです。超高速の動体視力(1000分の1秒)で、ボールの動きを読み取り打てるのです。
⑧国立国会図書館には、○○冊の本があります。でも紙の本はいずれ傷むので、デジタル化したい。でも1ページ1ページ写真に撮ると、全文の本をデジタル化するのに、100年以上かかるといわれています。もっと速くやる方法はないでしょうか。
⑨実はあるのです。超高速の動体視力(1000分の1秒)をもつロボットの前で、本をパラパラとめくるだけで、全てのページを写真に撮ることができるのです。250ページの本を約90秒で、撮影できるそうです。
⑩超高速の動体視力をもつロボットがいたら、そのほかに、どんなことができるでしょうか。
⑪発表の後、ぶつかる前に止まれる車などの例を紹介する。
この授業形式は、谷和樹先生がよくされるパターンです。
様々な問題を投げかけ、どうしたらいいか子どもたちに考えさせた後、どれもこれも、同じ方法で解決できることを示していくのです。
こうすること、その同じ方法のもつ意味が分かっていくわけです。
これを逆にすると、プレゼン型の授業になってしまいます。
上の例でいえば、超高速の動体視力をもつロボットがいます。どんなことができるでしょう。といって、そのロボットのできることを次から次へと紹介していくわけです。
ようは、自慢話パターンの授業なわけです。
様々な問題を解決する方法を模索するなかで、さっきの方法が使えないかと考え出す子が出てくるのが、谷先生の授業パターンなのです。
やはりこうして考えてみると、授業は組み立て方(素材の並べ方)で、ずいぶん効果が違うということが分かります。
ただ、前述の授業をするためには、周辺の情報をもっと手に入れ、子どもから出される意見が、いろんな研究に似ていることを語れるようにならないといけないでしょうね。
(2010.9.15)