和田秀樹『テレビの大罪』(新潮社2010.8)を読むと、テレビの影響力が人を死に追いやることがよく分かります。
まず、テレビは、ニュース性のあることを報道します。
例えば、飲酒運転により子どもが死亡したニュースがあれば、それを大々的に取り上げます。そして、飲酒運転を撲滅するべきだ、みたいな論調になります。
もちろん、飲酒運転は、問題です。しかし、それが過度の対応になり、法律がちょっとの飲酒による運転でも免停になったりすると、逆に大きな影響が出ます。
ほとんどのテレビの番組が東京でつくられるため、田舎の現状を理解してないゆえに起こることでもあります。
田舎では、車がないと移動手段がないため、生活できません。
東京のような都会であれば、夜飲んでも、電車やタクシーで帰ったりできます。
そうすると、田舎では、夜飲みに行くことはできなくなります。当然、そういう関係の店は、お客が来なくなり、つぶれていきます。
本当は、飲酒運転よりも、携帯電話をしながらによる交通事故の方が、はるかに多いのです。でも、そのことを取り上げるテレビ番組はほとんどありません。そんなことをすると、視聴者からそっぽを向かれるからです。
テレビによって、自分が影響されてないかを考えておく必要がありそうです。
(2011.9.23)