6年で「水溶液の性質」を教え始めて、この学習のねらいが何なのか気になっています。
例えば、塩酸で、アルミや鉄をとかすことで、何を学ばせたいのでしょう。
5年生では、食塩やミョウバンを水にとかしています。その流れでいくなら、アルミや鉄が水にとけるかどうか実験をさせてもよかったかもしれません。
水ではとけないアルミや鉄が、水でうすめた塩酸ではとけます。塩酸という水溶液には、金属をとかす性質があるわけです。
そういう特別な性質をもつ水溶液について教えるのがねらいなのでしょうか。
こういう時は、原点の『小学校学習指導要領』
燃焼、水溶液、てこ及び電気による現象についての要因や規則性を推論しながら調べ、見いだした問題を計画的に追究したりものづくりをしたりする活動を通して、物の性質や規則性についての見方や考え方を養う。 理科〔第6学年〕1目標(1)
アルミや鉄のような金属がとける現象についての要因といわれても、塩酸や水酸化ナトリウム水溶液のような未知のものに入れたからとしか言えません。原子・分子レベルまで考えて、要因を推論できるはずはありません。
水溶液の性質についての見方や考え方を養うというなら、世の中には金属をとかすような危険な物もあるから、気をつけなさい、というところです。
(2014.9.7)