岸本裕史氏の講座

 内容は、「21世紀の学力問題」である。

(1)学力の変遷
 20年前は、学力が上位(80点以上)が20%、下位も20%、中位は60%。
 今は、上位も下位も中位も、ほとんど同じく30%台。
 20年前は、中位に合わせて授業をすればよかった。(下位の子は居残り勉強)
 しかし、今はどこに合わせても、退屈したりついていけない子が60%以上できてしまう。
 それが、学級が荒れる原因だと、岸本氏は言われるのである。
 さらに、2002年になると、中位の子が減り、上位と下位に、はっきり分かれるだろうと、予想される。
 そこで、少年ギャング団が登場する、のだそうだ。
 岸本氏の予想は、よく当たるので、とてもこわい気がする。
(2)癖損重
「今の教育は、個性尊重ではなく、癖損重(くせそんちょう)だ。」と、岸本氏。
 一定レベルに達しないと、個性とはいわない、という話もなるほどである。
(3)若き教師たちへの伝言
 岸本裕史氏は、次の6つをあげられた。

1.「こうしたらよかった、うまくいった」ということを実践記録にする。
 (子どもの作品やデーターをつけて。)
2.この一年、何を重点にするかを決めておく。
3.自分のやることが他の人にもプラスになるようにする。
4.親の反応を的確にキャッチする。(連絡帳をふるに活用する。)
5.子どもに慈しみと学力を。
6.グローバルな視点をもつ。

 1と3の実現が、この夏休みの課題だと思う。
 夏休み中に、一冊の本を書きたいのだが、やはり、読む人の役に立つようなものじゃないと、いけないと思う。
 私は教師として、一定レベルには達していないのだから、オリジナルいっぱいの本が書けるはずがないし、書いてもいけないのだと思う。
 たとえ、追試であっても、本で読んだことであっても、「よかった」「うまくいった」ような内容であれば、それはきっと読者に役立つものになるだろう。
 また、この本づくりが自分のためにもならないと、いけないと思う。
 それは、自分が何度も読み返して役立てられるような本を作る、ということだ。
 自分が忘れていた実践などを掘り起こすのも、必要な作業かもしれない。

(1998.8.4)