気候とは何か

 5年の社会は「日本の気候」です。どうやって教えるか、結構、悩みました。
 だからこそ、教材研究の方法を考えるのに、最適といえます。
 まずは「気候」とは何かを調べました。

気候…一年を周期として毎年繰り返される大気の総合状態、つまり長い期間の大気   現象を総合したもの。 『スーパー大辞林』

 気候の「気」は、天気ではなく、大気の「気」なのです。
 次に、「候」とは何かを漢字源で調べました。(省略あり)

候 〈意味〉①うかがう。そっとようすをのぞく。「斥候」
③わずかに表面に出たきざし。また、季節のあらわれ。「兆候」
〈解字〉候の右側は、たれた的と、その的に向かう矢との会意文字で、的をねらいうかがうの意を含む。候は、弓矢で警護する武士。

 すなわち「気候」とは、大気の変化や兆しをうかがうこと、といえます。
 何人かの先生に、「気候」の意味を聞いてみても、誰も知りませんでした。
 普段、当たり前のように使っている言葉に、どういう意味や由来があるかを知るというのは、授業をする上で、教師の自信となりそうです。
 加えて、季節の「季」も調べてみました。
「節」は、節とか区切りとか、関節とかあるので、予想できます。
 でも、「季」という字が、どういう意味なのかは分からなかったのです。

季 〈意味〉①三か月。
〈解字〉「禾(こくもつのほ)+子」。麦やあわの実る期間。作物のひと実りす      る三か月間。

 一年12ヵ月を3ヵ月で区切ると4つ。だから、四季なのです。
「気候」や「季節」の意味を42年生きてきて、今日初めて知りました。教えることを通して、自分が一番学んでいるなと思ってしまいます。
 さて、授業は、次のように進めました。

① 地図帳で地名探し。練習「旭川」、1「帯広」2「上越」3「高松」
② 教科書P.※8、連れ読み、一人読み、句読点交代読み。
③ 板書:日本の気候
④「気」と「候」の意味を予想させ、教える。
⑤ 板書:季節風
⑥「季」の意味を予想させ、教える。
⑦ 季節風のことを図示しながら説明する。
⑧ 教科書P.※9、「日本各地の1年間の平均気温」を連れ読み。
⑨ 図から問題 (1) 何を調べた図ですか。(日本各地の1年間の平均気温)
 (2) 平均気温が18度以上は何市ですか。(那覇市)
 (3) 平均気温が6度未満は何市ですか。(旭川市)
        (4) 今まで一番気温が低かったのはどの地方?
          (北海道 旭川市1902.1.25 -41度)
        (5) 今まで一番気温が高かったのはどの地方?
          (東北 山形市1933.7.25 40.8度)
⑩ 資料集P.99 帯広市・上越市・松本市・東京・高松市・那覇市のどこに住みた いか。(理由も書く。)

 ⑨の(4)(5)は、学研サイエンスキッズというホームページの科学なぜなぜ110番に載っていました。

 なぜ、山形市がこれほど暑くなるのかというと、ここは山に囲まれた盆地で、フェーン現象というのがおこりやすいところだからです。このフェーン現象がおきると、気温が非常に上昇します。

 できれば、白地図に、日本の各地方の天気の特徴を書き込ませたのですが、時間が足りませんでした。
 時間を確保しようと思うなら、最初の地図帳の地名探しをカットすればいいわけです。でも、今は、学校に地図帳を持ってこさせるため、できるなら、毎回使いたいのです。
 地名を板書し、見つけた子から立ちます。私は1番から10番まで判定していきます。学力の低い子、社会が苦手な子も、この地名探しは、張り切ってやります。誰もが1番になれるチャンスがあるので、続けていきたいものです。

(2007.5.9)