セレクト発問で国語授業を活性化する

 明日が教員採用試験の1次の合格発表です。

《ねらい》 二者択一を迫るセレクト発問によって、授業のねらいに迫ることができます。
《すすめ方 セレクト発問で選択させ、理由で話し合わせる。》
 セレクト発問とは、AかBかのように二者択一を迫る発問です。
「大造じいさんと残雪、どちらが主人公だといえますか。」
 多様な答えがあるマルチ発問と違って、セレクト発問には1つの答えしかありません。1つが正解で、あとは全て間違いとなるわけです。
 二者択一であれば、理由が分かってなくても、答えを選ぶことはできます。
 とにかく1つの答えを選んだ上で、それが正解だという理由を考えさせていくのです。そうすることで、その教材の本質に迫ることができるのです。
「このお話に出てくる色で、最も重要な色は何色ですか。」
 東京書籍六年の「海のいのち」の核心に迫るセレクト発問です。
 色を選ばせた後、理由も書かせていきます。この理由の交流が大切なのです。
「この物語で最も重要な色は、緑色と考えます。理由は三つです。第一に、主人公は太一だからそのふうけいで緑色としました。第二に、緑色が教科書にのっているからです。第三に、クエの目が緑色だったからです。 以上のことから、最も重要な色は緑色と考えます。」
「この物語の最も重要な色は、青と考えます。理由は、4つです。第一に、題目が、海のいのちだから。海は、青みたいな色だからです。第二に、青と言う字が、2つつかわれているからです。第三に、ほとんどのページで、(絵の色)青系の色が使われているから。第四に、太一のみたクエの目が青だからです。以上のことから、最も重要な色は、青と考えます。」
 漁師たちの見たクエの目の色は緑ですが、太一が見たクエの目の色は青です。この色の違いに、このお話の本質が隠されているのです。
 最も重要な色は、青か緑かをクラス全員で検討することで、子ども達は教材にのめり込んでいくことができるのです。
《成功のポイント 理由はアウトラインに沿って書かせる。》
 理由をいくつも書かせるために、アウトラインに沿って理由を書かせます。
「理由は□つです。第一に、…。第二に、…。」
 理由は一つではなく、たくさんあるんだよ、と示すことで、子どもは教材を何回も読み直して、理由を探します。
 理由を考えること自体が、大きな学びとなるのです。
《こんな場合は 理由が書けない子がいる時は》
 理由を書かせる前に、同じ答えを選んだ子同士で、相談する時間をとるといいです。友だちの意見を自分の意見とすることができればいいのです。

(2006.8.8)