ダライアス

実機について

かつては高度な科学力と独自の文明を誇った惑星ダライアス。
ある日、突如として来襲した謎の異星人「ベルサー」の手により、今ではすっかり死の星と化してしまった。
住人の大半は死に絶え、生き残ったのは地下シェルターに待避し、難を免れた極僅かの人々であった。
プロコとティアットの2人は新天地を探すべく、伝説の戦闘機「シルバーホーク」に乗り込み、
残された人々の希望を胸にダライアスから旅立った。
しかし、行く手にはベルサーの恐るべき罠が張り巡らされていた…


1987年、タイトーから登場したシューティングゲーム。
3画面モニターを装備した超大型筐体が特徴。
中央のモニター表示はそのままだが、左右のモニターはハーフミラーを介して投影しているため、
継ぎ目の無い長大な視野を得ることが可能。
技術的には1985年に同社から発売されたシューティングゲーム「ワイバーンF-0」筐体の応用である。
タイトーのサウンドチーム「ZUNTATA」による良質なBGMを楽しめるように、筐体にはヘッドホン端子が標準装備されている。
更に筐体に付属する座席にはボディソニックが組み込まれ、敵の爆発等の重低音を直接体感出来る。

内容的にはオーソドックスなシューティングゲームである。2人同時プレイ可能。
座席左側は1プレイヤーで赤色、同じく右側は2プレイヤーで青いシルバーホークを操作する。
クレジット投入口・スタートボタンは独立しているため、好みの色で単独プレイが可能。
なお、2種類のシルバーホークに性能差は無い。
レバーで自機を操作し、対空攻撃ボタン・対地攻撃ボタンで敵を迎撃する。
ステージはAからZまで全26ゾーン(マップの都合上、ゾーンVとゾーンZは2つある。)。
各ゾーンはゾーン終端の分岐点を介して樹状に連結されており、好みのルートで攻略出来る。
宇宙洞窟・都市地帯・山岳地帯・海底基地・バンアレンベルト地帯など、非常に多彩なステージ構成。
更に各ゾーンに設定されている重力や浮力は、パワーカプセルの挙動のみに影響を与える。

道中、敵兵器の一部に特定の色に着色された機体が出現し、破壊するとパワーカプセルを放出する。
カプセルを1個取得すると一段階パワーアップし、8個目を取得すると次段階の兵器に進化する。最高3段階まで。
・レッド(対空兵器)…ミサイル→レーザー→ウェーブ
・グリーン(対地兵器)…ボム→ツインボム→マルチボム
・ブルー(バリア)…アーム→スーパーアーム→ハイパーアーム

各ステージ終端に到達すると警告表示が現われ、場面展開の後に魚介類をモチーフとした巨大戦艦が登場する。
これら巨大戦艦は3画面モニターをフル活用した、非常に迫力のあるデザインが成されている。
巨大戦艦を破壊すると分岐点が現われ、上下どちらかに進行してルートを決定する。
7ラウンド目をクリアするとエンディングだが、最終ゾーンによってエンディングの内容が変わる。

業務用続編として1989年に、2画面モニターを採用して筐体をコンパクトにした「ダライアスII」が登場。
1994年に「ダライアス外伝」、1997年に「Gダライアス」が登場。
家庭用オリジナル作品として1991年に「ダライアスツイン」、1993年に「ダライアスフォース」の2作品が
スーパーファミコン向けに発売されている。
2009年にプレイステーションポータブル向けに「ダライアスバースト」が登場。
更に2010年、この作品を業務用にアレンジ移植した「ダライアスバースト アナザークロニクル」が登場。
久々の大型筐体として全国のゲームセンターで稼動している。

見た目も内容も非常にインパクトの強いゲームであり、現存する筐体は少ないものの現在も高い人気を誇る。
独特の3画面筐体は、後に登場したアクションゲーム「ニンジャウォーリアーズ」に引き続き使用され、
続編「ダライアスII」にも3画面バージョンが製作され再利用されている。

作品について&戯言 この展示サイトを設置した頃から計画していた作品です。
2012年秋に奈良で開催された正倉院展の見学に出掛けた折に、貴重な純正筐体が置いてあるゲームセンターが
正倉院展会場の至近にあり、久々にプレイしながら資料を収集。
更に2013年末に東京への一人旅で「高田馬場ミカド」でも純正筐体を観察出来ました。
一番の悩みのサイドパネルは「エアーコンバット」や「ゼロ・イン」等と同じ方法で何とか形になり、
2014年5月の連休後すぐに製作に取り掛かりました。
モニターも通常の画面と反転させた画面を使用して、後は企業秘密(笑)の方法でハーフミラーっぽく見えるように細工しています。
残念ながら写真では殆ど見えなくなっちゃいましたが…

この作品もビデオゲームの歴史を語る上では欠かせませんねぇ。
作者がこの作品に出会ったのは当展示サイトで度々登場する我が地元、大阪市西成区に存在していたゲームセンターです。
店内はテーブル筐体がメインでしたが、広いスペースを生かして大型筐体も数台設置されていました。
ある日、「ロードブラスター」等の大型筐体を設置しているスペースに、この筐体が入荷されていました。
この店のゲーム機は基本的に1プレイ50円でしたが、このゲームは100円だったかな…?
迫力のある美しい3画面とボディソニックを体験したくて、1日100円の貴重な小遣いを奮発して初プレイしました(笑)
事前に上手い人のプレイを一頻り見学してから挑みましたが、ゾーンAのボス「キングフォスル」で呆気無く全滅…
その後は触れる事無く、ヒマな時に上手い人のプレイを見学するだけになってしまいました。

時は流れて1990年…
家庭用ゲーム機「PCエンジン」に「スーパーダライアス」として初移植されまして、作者も当時の雪辱を晴らしたく購入しました。
流石に3画面モニターは再現不可能なものの、グラフィックはオリジナルと遜色なく、ZUNTATAサウンドも完全収録。
更に業務用で登場予定だった物を復活させる形で、全てのゾーンに違うタイプの巨大戦艦が登場するという破格のサービス(笑)
業務用は数えるほどしかプレイしていませんが、このPCエンジン版は難易度が下がっている事もあって散々遊び倒しました。
今でもPCエンジン本体は現役なので、裏技の26体の巨大戦艦と連戦モードは時間が有ればチャレンジしています。

グラディウスシリーズ」や「R・TYPEシリーズ」「19シリーズ」同様、ヘタな癖に好きなシューティングゲームでして、
PCエンジンのみならず、他の移植作や家庭用ハード向けのオリジナル作品も一通りプレイしてます。
ゲームボーイ向けの「サーガイア」は白黒液晶画面というハンデを負いながらも、意外と良作ですよねぇ。
スーパーファミコンの「ダライアスフォース」も好きなんですが、初代からプレイしている人達からは評価が芳しくない様子…
続編の「ダライアスII」移植版も、メガドライブ版は良作なのにPCエンジン版は…
まぁ、詳しくは当該記事へ…


別館入り口に戻る