GRAN TRAK 10

実機について 1974年にATARIから登場した1画面固定式レースゲームである。
当時のアーケードゲームにおけるレースゲーム・ドライビングゲームは「インディ500(KASCO)」「グランプリ(SEGA)」などの、
いわゆるエレメカが主流であったが、この作品はビデオゲームとしては業界初のレースゲームとされる。
筐体にはステアリングホイールとシフトレバーが配置されている。
足元にはブレーキ・アクセルペダルがある。

画面は真上からサーキットコースを眺めた視点になっている。
コースレイアウトは1つのみであり、プレイヤー以外の他の車は登場しない。
シフトレバーによるギアチェンジでは、リバース・1速・2速・3速を必要に応じて切り替える必要があるが、
ブレーキ・アクセルペダルはデジタル式なので、踏み込み具合でスピードをコントロールする事は出来ない。
更にブレーキをかけても車は瞬時には止まらず、ブレーキを掛けながらカーブを曲がると車は横滑りしてしまう。
ステアリングホイールは、ニュートラルな "ストレート "ポジションではなく、回している間だけ車を回転させる。

コースは画面上にパイロンを表す白いドットの路肩で構成されており、これにぶつかると車がスピンする。
コースの一部にはオイルが落ちている場所があり、オイルを踏むとプレイヤーの車がスリップする。
画面上部には2つの数字が表示されており、右の数字はゲームの残り時間で、78から2秒ずつカウントダウンされる。
左の数字はプレイヤーが通過したチェックポイントの数で、2秒ずつカウントアップされていく。
制限時間までにコースを周回して、多くのポイントを獲得するのが目的。

当時のATARIは目論見の甘さから大きな赤字を出してしまったが、ゲーム自体は概ね好評であったため、
同年に小型筐体版の「TRAK 10」を発売し、更に2人対戦バージョンの「GRAN TRAK 20」(下記参照)が登場。
続いて8人対戦プレイにも対応した「INDY800」(1975年)や、「LeMans」(1976年)、「SPRINT 2」「SPRINT ONE」(1976年)、
更に多人数プレイに対応した「SPRINT 4」「SPRINT 8」(1977年)、グラフィックを強化したリメイク版「SUPER SPRINT」(1986年)、
アクション性を高めた「BADLANDS」(1989年)など、様々な1画面固定式レースゲームが登場している。
「GRAN_TRAK_10」発売から数か月後、このゲームに触発される形でタイトーから「スピードレース」が登場している。


【参考資料】

ウィキペディア英語版
「Category:Atari arcade games」(https://en.wikipedia.org/wiki/Category:Atari_arcade_games)


GRAN TRAK 20

実機について 1974年にATARIから登場した1画面固定式レースゲーム。
同年に登場した「GRAN TRAK 10」の2人対戦プレイバージョンである。
筐体にはステアリングホイールとシフトレバーが2つ、ブレーキ・アクセルペダルも2つずつ配置されている。
シフトレバーによるギアチェンジでは、リバース・1速・2速・3速を必要に応じて切り替える必要があるが、
ブレーキ・アクセルペダルはデジタル式なので、踏み込み具合でスピードをコントロールする事は出来ない。
基本的に2人対戦用だが、1人でもプレイ可能。

画面は真上からサーキットコースを眺めた視点になっている。
コースは1種類のみだが、「GRAN TRAK 10」とはレイアウトが異なる。
2台の車が並んで同時にスタートする。お互いの車で妨害しながらコースを走行する。
後続車が先行車に接触すると先行車がクラッシュしてしまうが、上手く相手を妨害すれば大逆転も狙える要素になっている。
コースは画面上にパイロンを表す白いドットの路肩で構成されており、車が路肩に接触すると
クラッシュ・スピンアウトしてしまい、大幅にタイムロスとなる。
更にコースの一部にはオイルが落ちている場所があり、オイルを踏むとプレイヤーの車がスリップする。
指定されたチェックポイントを通過する事でポイントが1つ入る。
制限時間までにコースを周回して、多くのポイントを獲得するのが目的である。


【参考資料】

ウィキペディア英語版
「Category:Atari arcade games」(https://en.wikipedia.org/wiki/Category:Atari_arcade_games)


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