(長野・富山)
白馬鑓温泉へ行ってきました。
白馬岳山頂
(2008・7・24〜28)


7月23日、夜行バス「さわやか信州号」で新大阪を出発して、翌朝「白馬」に着いた。
ここの地名は「はくば」と言い、山は「しろうま」と言う。

1日目
白馬駅前からバスで猿倉へ向かい、30分ほどで着いた。
登山口から10分ほどで大雪渓への道と分かれ、左の鑓温泉方面へと進んだ。
樹林の中を行き、小日向のコルを過ぎて暫くするとコースが変更になっている所に来た。
ここから下りになってどんどん下ると、雪渓が現れた。
3〜4ヵ所の雪渓を横ぎったところで下りてきた男性が、「この先には雪渓がありますよ。アイゼンは持っていますか?」と言う。
「持っていないけど・・・気をつけて行きます」と言って別れた。
のぼるは「また雪渓を横ぎるんだろう」と、のんきだ。
それから雪渓を何度か渡った。
やがて雪渓は上へ上へと登りになって、かなり登ったのに上はガスで見えない。
このコースにもこんなに大きな雪渓があるとは知らなかった。

やっと雪渓が途切れた所で休憩していたら、さーっとガスがきれた。
すると前方上に屋根らしきものが見えた!小屋だ!
もうここまで来ていたのだった。

ゴツゴツした岩の上を、水が流れ落ちてくるすぐ傍を登って行く。
流れに手をやると、うん、お湯!とうとう鑓温泉に来たぞ!

ここは標高2100m、日本第二の高地にある温泉だ。
天然かけ流しの、山のいで湯。

露天風呂は猿倉からのコースを登りきった所からも、キャンプ場からもまる見えだが、女性用は囲いがあって、屋根も半分ある。足湯もあった。

そうそうは来られないんだから、何度も入って楽しんだ。
鑓温泉へも雪渓がありました 鑓温泉が見えてきた
登山道から見えている露天風呂 足湯もありました
女性用はこんな感じ 露天風呂は絶景の展望
2日目
天気は曇。小屋を出るとしばらく登りが続いて、岩場にやって来た。
「ぬれて滑りやすいので、ストックはたたんでください」と注意書きが立っている。
指示通りにして、クサリ、ロープにつかまって登った。
岩場が終わると花いっぱいの大出原が待っていた。花の種類が多いので楽しめる。

霧が出てきて、下って来た2人の男性が「稜線へ出たら風が強いから気をつけて下さい」と言った。
腕章に山岳パトロールと書いてあった。
稜線に出るとその言葉通りに、霧は濃くなり、風もさらに強くなった。
鑓ヶ岳の直下まで来たが、頂上は諦めた。何にも見えなきゃしょうがない。
そこから砂礫の下りとなって、やがて登りになった。
杓子岳をトラバースしているもよう・・・標識もなく、頂上も見えない。
そしてまた登りになった。この道は杓子岳の頂上に向かっているのか?それとも丸山なのか?
下って来た人に尋ねたら、すぐそこが丸山だと教えてくれた。
小屋はそこからまもなくだった。


村営白馬岳頂上宿舎に到着である。
部屋に入ってみると布団一枚に1人で、またその布団が大きい。
「家の布団より大きい!」とのぼるは喜んだ。

それから白馬岳山頂へ行ったが、ガスで展望はきかなかった。
山頂に近い白馬山荘には「今日は1帖に3人となります」とのおことわりが張ってあった。
さすがに日本一の山小屋だ。
収容人員は1200人で、7年前にここに宿泊した時はたがいちがいの雑魚寝状態だった。
(7年前の白馬岳山行はこちら

宿舎に戻ってからは前のベンチに腰かけて、大雪渓から登ってくる登山者を見ていた。
思い思いのスタイルで、見ていても楽しい。

韓国からのツァー客もここで休憩していた。バス2台分ぐらいの多勢のツァーだった。
韓国語が飛び交っていたが、知っている言葉はカムサハムニダだけだった。もっとわかりたいなと思った。
ビールを飲んで休憩していた3人がなかなか腰を上げないので、添乗員らしき人が困っていた。
日本の白馬岳を韓国人も知っているとは、なぜだか嬉しいことだった。

そして多くの登山者が休憩しては、登って行った。
みんな日本一の山小屋に泊まってみたいよね。山頂にも近いしね。
(ここだと大の字になって寝れるし、食事もバイキングだよ)と思うが、私達だって前に来た時は、休憩すらせず通り過ぎたのだった。

外はだんだんと霧が濃くたちこめて小雨も降ってきた。
明日は朝日小屋まで行く予定なのだが、10時間はかかるロングコース・・・さらにそこから蓮華温泉まで下るのもロングコース・・・
考え直して、この宿舎に連泊して、蓮華温泉へ下ることにした。

3日目
朝、やっぱり濃い霧につつまれていた。
早い目の昼食を宿舎前で作った。(リゾットとラーメンの簡単メニュー)
そして白馬岳山頂(2932m)へ登った。
山頂の信州側は切れ落ちていたが、その断崖絶壁にもイワオウギなどがたくさん咲いていた。
肥料もない岩場で、けなげに咲いている花たち。
どうしてそんなにたくましいの!? 君たちはほんとに強さと優しさを併せ持っているんだね!

時々霧が晴れて残雪の山の風景を見ることができたし、次々とやって来るおおぜいの登山者や、ゆれる花々を見ているとあきることがなかった。
宿舎の稜線上に戻ると天気は完全に回復し、白馬岳と白馬山荘の全景を見ることができたし、夕景も楽しめた。
こんなにのんびり白馬岳を満喫できて、連泊にして大正解だったと話し合った。

村営を続けて利用すると千円引になったので、夕食はステーキセットを奮発した。
食堂ではなく新館のレストランでのディナーは良かったです。
  ↑山頂から白馬山荘(まだ左へ続いている)を見る
←白馬岳山頂の信州側は切れ落ちている
村営宿舎の稜線から白馬岳と白馬山荘を望む 夕方になって杓子岳(左)と鑓ヶ岳が見えた
山頂付近にたくさん咲いていたイワオウギ 意外に硬かったコマクサ
4日目
みたび白馬岳山頂に立ったあと三国境にむかって下り始めた。
この辺りはコマクサの群生地で、谷側の急な斜面でゆれているコマクサを覗き込むようにして見渡した。

小蓮華岳から白馬大池への登山道も高山植物がいっぱいだった。
女性のグループがイブキジャコウソウはいいにおいがすると喋っているのを聞いて、私は初めて高山植物のにおいというものに興味をもった。
今までは、可愛い、きれい、けなげと思い、写真に撮り、名前に興味を持つだけで、におってみるということをしてこなかった。(ミズバショウはにおったことがあるが、これは歌にもなっているから知っていただけ)
つぎにイブキジャコウソウに出会った時、這いつくばってにおいをかいでみた。
そういえばほのかな香りがあった。

つぎにまたコマクサを見つけた。
さっそく這いつくばってにおいをかいでみたけれど、こちらは全然においません。そこでそーっと触ってみました。
すると意外や意外、硬かった!
あのレースのような葉っぱもしっかりしていた。
まるでビニールかゴムの造花のようだった。
あの強い風雨に耐えているんだから当然かもしれないが、見かけとはぜんぜん違っていたことがわかったのでした。

樹林の中を下ってやっと蓮華温泉らしい建物が見えたが、なかなかたどり着かない。
蓮華の森の標識を見て暫くするとゴロゴロと鳴り出したので、急ぎ足になった。
そしてポツポツと雨が落ちてきて、5分ぐらい降られてやっと蓮華温泉ロッジに着くことができた。

雷雨はけっこう激しくて、この温泉の有名な7つの野天温泉に入れなかったことがただ一つ残念なことだった。

5日目
未明からまた雷雨になったが、バスに乗る前には止んでいた。
ここからバスでJR平岩駅へ出て、松本方面行きの電車で白馬へ出て、白馬からバス「さわやか信州号」に乗る予定だ。

ところがJR南小谷と白馬の間が、今朝の落雷による停電で不通になっていた。
南小谷で代替バスに乗れず、代替タクシーに乗せてもらった。
というわけで予定よりずっと早く白馬に着くことができて、なんと4時間も自由時間があった。
買物をしたあとは残雪の白馬連山を見上げて過ごし、13:40のバスに乗って暑い関西にもどって来たのでした。
白馬岳から小蓮華岳へ下ります ほのかに香るイブキジャコウソウ
雪倉岳ともいよいよお別れ 蓮華温泉ロッジ
1日目
猿倉(7:50)→小日向のコル(10:30)→白馬鑓温泉小屋(13:30)

2日目
白馬鑓温泉小屋(6:25)→稜線(9:30)→鑓ヶ岳直下(10:15)→村営白馬頂上宿舎(13:00)

3日目
村営白馬頂上宿舎→白馬岳山頂→村営白馬頂上宿舎

4日目
村営白馬頂上宿舎(5:45)→小蓮華岳(8:00)→(10:10)白馬大池(10:45)→蓮華温泉ロッジ(13:30)


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