3年国語「モチモチの木」(斎藤隆介)からです。
豆太はま夜中に、ひょっと目をさました。頭の上で、くまのうなり声が聞こえたからだ。
「じさまぁっ!」
むちゅうでじさまにしがみつこうとしたが、じさまはいない。
「ま、豆太、しんぺぇすんな。じさまは、じさまは、ちょっと、はらがいてぇだけ だ。」
まくら元で、くまみたいに体を丸めてうなっていたのは、じさまだった。
「じさまっ!」
こわくて、びっくらして、豆太はじさまにとびついた。けれどもじさまは、ころりとたたみに転げると、はをくいしばって、ますますすごくうなるだけだ。
医者様を、よばなくっちゃ!
豆太は小犬みたいに体を丸めて、表戸を体でふっとばして走りだした。
ねまきのまんま。はだしで。半みちもあるふもとの村まで……。
外はすごい星で、月も出ていた。とうげの下りの坂道は、一面のまっ白いしもで、雪みたいだった。とうげの下りの坂道は、一面のまっ白いしもで、雪みたいだった。しもが足にかみついた。足からは血が出た。豆太はなきなき走った。いたくて、さむくて、こわかったからなぁ。
でも、大すきなじさまのしんじまうほうが、もっとこわかったから、なきなきふもとの医者様へ走った。
ここのところを3年の新任が授業をします。
私がとりあえず考えた授業展開を書いてみます。
①音読(連れ読み→一人読み→隣と交代読み→○交代読み)
②「今読んだところで、誰が出てきましたか。」(豆太・じさま)
③「えっ、くまも出てきてるよ。」(教師が対立物となる。)
④「じさまぁっ!」と「じさまっ!」は同じですか、違いますか。
(例:初めのは自分がこわくて呼んだ、2つ目はじさまを心配して言った)
⑤「豆太は、何がこわかったのですか。」
(例:じさまが苦しんでるのがこわかった。夜がこわかった。じさまが死ぬのがこ わかった。)
⑥「豆太は、おくびょうですか、おくびょうじゃないですか。」
⑥がメイン発問になります。
おくびょう派の理由としては、いろんなことをこわがっていることがあげられるでしょう。おくびょうじゃない派は、夜がこわいのに、たった一人でじさまを呼びに行っていることをあげるでしょう。
どちらの派の読みも豆太の思いを深めるのに役立ちます。
(2007.8.7)