風船が下りてきました

「風船が下りてきました。」の一文を使った授業があります。
 上記の文を話者がどこから見ているか、目玉にして書くのです。
 文章の意味がしっかり分かっている子は、風船より下に目玉を描きます。
 でも、教室での実態は違います。(だから学べるのです。)
 風船より上に目玉を描く子も出てきます。
 では、その意見に対して反対を言うとしたら、どう言えばいいのでしょうか。「風船は下りてくるんだから、目玉は下にないといけません。」
 これは、目玉が下にある理由を言っているだけで、目玉が上だとなぜいけないかの理由にはなっていません。次の言い方はどうでしょうか。
「目玉が上にあるというのは、上から見ているのですから、「風船は下りていきます。」とならないといけません。」
 相手の主張だったら、どういう文になるのかを指摘しているのです。
 これは、ごんぎつねで、「兵十は、かけよってきました。」が、兵十の視点であれば、「兵十は、かけよっていきました。」となると主張しているのに似ています。
 ごんぎつねで、この視点のことに気付けるためにも、風船の授業はしておきたいのです。

(2008.8.28)