学力研全国大会・4年分科会でのミニレポート発表のテープ起こしです。
7月の、ある日の授業を思い出して下さい。クラスの子、例えば36人ですね、36人の子どもが、全員、発言し、発表し、活躍していたでしょうか。発問すると、一部の子しか手を挙げない。そんな状態にはなっていませんか。もしそんな状態になってるとしたら、それは1年間の、授業の組み立て方が、まちがっている。と考えてもいいかもしれません。今日は1年間を通して、学習能力を伸ばす、授業の組み立て方について、話します。
大阪教育サークルはやしの代表をしている荒井といいます。どうぞよろしくお願いします。(中略)
こうしてテープ起こしをしていると、言葉を短く句切りながら話をしています。とくに意識はしてなかったのですが、一つ一つの言葉を参加者にしみ込ませるためにやっているわけです。
もうね、1年間の授業づくりは、ちょっと、米作りに例えれるんじゃないかな、と思いました。というのもね、今5年生で1学期、米作り、教えました。そのときに、米作りというのは、授業づくりに似ているんじゃないかな、と思って、前見てくださいね。ちょっと電気落としてもらっていいですか。
まず、米作りでは、最初に苗を育てます。いきなりタネを、田んぼに植えたりしません。苗はどんな場所で育てるんですか?先生どうですか?
(小さなペットボトル)あっ、ペットボトルで育てますよね。そのペットボトルはどこに置くんですか。(……。)
苗はどんな場所で育てるんですか。(なんかこういうな。)そうですね。
ビニールハウスみたいな温かいところで、環境のいいところで育てます。ということは、4月の授業づくりなんですよ。4月のときに、いきなりこんな風に当ててはダメなのです。(笑)緊張するでしょ。いきなり難しい問題を出して、子どもを追い詰めない。誰でも答えれるような発問をする。すると、子どもはね、自分でね、自分もなんか答えれるんだ、って思います。
冒頭に、問題点を提示し、何をこの講座で話すかを示し、そして、自己紹介をしています。この後、資料の確認をしてから、中身に入っていきました。
いきなり参加者に問いかけて指名したので、当てられた人は緊張して、うまく答えられませんでした。なかば強引に、ビニールハウスまで持って行ってます。 ただ、そのことを「4月のときに、いきなりこんな風に当ててはダメなのです。」と言って、会場の笑いを取ることができました。
こうしてテープ起こししてみると、話し言葉は文章とは違うというのが、よく分かります。なぜかといえば、音声だからです。文字情報ではないので、何度も見直すことはできません。耳に言葉を一つ一つのせていくような感じで話をしないといけません。あと会場の空気も読みながら、話すことを変えていくのです。
(2009.8.16)