金子みすず「うらなひ」

 石黒 修 監修/TOSS石黒塾 編『思考力を育てる学年観点別「分析批評」ワーク 小学6年編』(明治図書2007.8)に、次の詩が載っていました。

 この詩は何年生でも使えそうなので、一点突破の講座で授業にかけてみます。
 上記の本では、リフレインを教えるのに使っています。でも今回は、クラスの実態や学年、これまで積み上げたもので、どう授業をつくっていくかをテーマに、上記の詩を扱ってみます。
 授業の基本として、まず音読からです。
「読めない字はとばしていいから、1回読んだらすわりなさい。」
 教師が範読せずに、子どもに読みを類推させないといけません。前後の文脈から読んだことのない字を読めることも、これからの読書や様々な資料を読むときに使える力です。
 この後は、学年実態に合わせて、授業すればいいでしょう。
 私なら、まず、「この詩を読んで、分かったこと・気がついたこと・思ったことを書きなさい。」で、箇条書きにさせます。
 これまでの学びを子どもたちが出せてるかどうかが、これで判定できます。
 リフレイン(くり返し)については、当然出るでしょう。
 音韻(リズム)について出れば、たいしたものです。

 上記の詩は、四三と六三のくり返しとなってます。でも一カ所だけ、三四のリズムがあります。これが破調であり、作者の一番言いたいところになるのです。
 以前、室生犀星の「ふるさと」という詩でも、破調を扱いました。(伴実践)
「話者は、大人ですか、子どもですか。」(子ども)
「話者は、男の子ですか、女の子ですか。」(女)
「話者の願いは、何ですか。」(明日が晴れること)
「話者は、幸せですか、不幸ですか。」(?)
 草履の表が幸せ、裏が不幸を象徴してるところまで授業したいのです。

(2010.8.17)