体育はなぜ「たいく」?

 ふと、「体育」は「たいいく」なのに、「たいく」と呼ぶんだろうか、疑問を感じました。
 iPadのアプリで「クロスワード辞書」(無料)があったので、2文字目が「い」、3文字目が「い」の言葉を検索しました。
 計4文字の言葉は、60個ありました。

藍色・海域・買い入れ・会員・食い意地・水域・生育・体育・第一・定員・灰色…

 体育のように、「い」を一つ抜かして読んでる言葉はありませんでした。
 ホームページで「体育をたいく」で検索すると、同じような疑問を持ってる人がいて、その回答も寄せられていました。

 もちろん「たいいく」が正しいですし、多くの人はそのように発音しているでしょう。けれど、「いい」のつながりが発音しづらく感じる人も多いようで、耳から入った音を、「なんとなく」そのまま使っている人は「たいく」と発音するようです。端から見るとカッコ悪いだけなんですが。
 同じように、「原因」を「げんいん」と意識しておらず「げいいん」だと思いこんでいる人 (パソコンで文字入力が出来ずに苦労する)や、「雰囲気」(ふんいき) を「ふいんき」だと思っている人もたくさんいます。
「文字通り読めばいいじゃん」。なのですが、そうとばかりも限りません。
 たとえば、「洗濯機」。文字通り読めば、「せんたくき」で、そう読む人もいるでしょうが、たぶんほとんどの日本人は「せんたっき」と発音します (でも辞書には「せんたくき」しか載っていません)。「旅客機」(りょかくき)→りょかっき、も同じ。
 というわけで、文字表記と読みがイコールと決めつけるわけにはいきません。
 でも、やっぱり「体育」を「たいく」と発音すると恥をかきますので、注意してくださいね。
                                    http://oshiete.goo.ne.jp/qa/4162019.html

 他のホームページを見ても、体育を「たいく」と読むのは、まちがいのようです。言いにくいから、そう読んでしまってるだけなわけです。
 ちなみに、一太郎で「たいく」と入力して変換すると、変換候補が3つ出ました。体躯・体軀・体育ですが、体育の変換では、ちゃんと赤字で《「たいいく」の誤り》と出てました。この誤りをする人が多い故に、ワープロソフトは「たいく」を体育と変換してくれるわけです。
 原因を「げいいん」で変換するときは、《「げんいん」の誤り》と出ました。
 雰囲気の場合も、「ふいんき」で変換すると《「ふんいき」の誤り》と出ます。
 ネットで調べる方法もありますが、ワープロソフトで変換できるかどうかやってみるのも、一つの調べ方のようです。
 誤用があるから、言葉は楽しいともいえますね。

(2012.8.22)