急行列車の回路

 伊藤真『夢をかなえる勉強法』(2011.4 サンマーク出版)より。

 基礎を徹底して体で覚えてしまうと、なぜ次のステージに上がれるのか。
 私は、脳の中に急行列車のように一瞬で通過できる回路がつくられるからだと思っている。
 普通、頭の中で物事を考えるときは、AならばB、BならばC、CならばDという具合に各駅停車で順番に回路をつなげていく。
 しかし毎回、同じことを練習していると、AからDに瞬時につながるようになる。ABCDと通過しているが、いちいちAである、Bである、と認識せずに、スッと急行で行けてしまう。それが体で覚えた、という状態である。
 単なる丸暗記と異なるのは、いきなりAからDに飛ばず、ABCDときちんと通過していることだ。

 1ケタのたし算は、九九のように覚えた方がいい、と久保先生は言われてました。でも、ただ覚えるだけでは、AからDへの丸暗記でしかありません。
 8+9は、8に9から2を引いたのを足して10、9から2を引いて7,10と7で17、8+9=17。
 というように、最初は、手順通りに考えて、たし算を求め、いつのまにか、8+9なら17となるのが、急行列車の回路ができたといえるのです。

(2012.8.30)