明日、明後日の講座で扱う内容に自分の考えや思いを加味してみます。
【マルチ発問で出された意見を分類する。】
虫の名前をたくさん出させてから、その中から昆虫を見つけ出させる。
コンビニの便利なところを出させてから、その中からスーパーとはちがうとこころを見つけさせる。
このようなやり方に「マルチ発問分類活用」と名付けてみます。
この方法のいいところは、3つあります。(今から3つ考えるのです。)
1) 最初の問いが簡単である。(昆虫の名なら無理でも虫の名なら書ける。)
2) 最初の問いの答えが、次の問いのための教材となる。(最初の問いがなければ、たくさんの虫の名を書いた教材を用意する必要が出てくる。)
3) 分類させる問いによって、最初の問いの答えが全て活用される。(昆虫である虫と昆虫でない虫の違いを見比べることができる。)
例としては、生活と理科の実践を紹介しました。でも、社会・算数・国語など他の教科でも活用できそうです。
例えば算数なら、「分数を5つ書きなさい。」で様々な分数を出させてから、「1より大きい分数を選びなさい。」と分類させることができます。
もっと応用すれば、発問づくりにも使えます。
教材研究し、いくつもいくつも発問を考えます。その後に、それらの発問から、答えがたくさんあるマルチ発問はどれか、答えがAかBかの二者に分かれ意見が対立しそうなセレクト発問はどれか、と分類していくのです。
もっと広げれば、人生の処し方にも応用できます。
自分のやりたいことをリストアップしていきます。図書館の近くに住みたい、自分の家を持ちたい、子どもが3人ほしい、という具合に。次に、そのリストを見ながら、今年達成できることはどれか、5年以内に達成できることはどれか、と分類していくのです。さらに、達成したいことをするために、何をやればいいかをリストアップし、どれからやるかを優先番号をつけていきます。
【マルチ発問をステップとして使う】
いきなり難しい問題を出すと、学力の低い子や学習意欲の弱い子は、とたんに自信とやる気をなくします。
マルチ発問は、答えがいくつもあるので、容易に答えることができます。
また、クラス全員が出した答えの集積が、次の問題を考えるための足場ともなります。偏愛マップなら、みんなが出した好きな事群を見ながら、「あれはぼくも好きだな」「ああいうことを書けばいいのか」とヒントやきっかけを得ることができます。グラフや資料の読み取りでの最初のやさしい問いは、「こんな風に解いていったらいいんだな」「次の問題を正解するぞ」という回答方法の確認や次問題への意欲につながっていくのです。
(2007.10.12)
講座の前にあれこれ考えることで、新しいアイデアが生まれます。
【マルチ発問で、様々な方法を引き出す。】
様々な方法を子どもに出させた後、それらの方法をどの順でとりあげるかは教師が決めていきます。
黒板に書かせる時も、書く場所を指定していくこともあります。
子どもの意見を意図的に使うので、授業が盛り上がる方向に組み立てることができるのです。野口芳宏氏の机間巡視の後の意図的指名と同じです。
子どもの中には、教師が思いつかないような方法を考える子がいます。教師と年齢が違うということもあります。また、教師というのは結構まじめなタイプなので、不真面目タイプの子の発想ができなかったりします。教師に足りない部分を子どもに埋めてもらうわけです。
【授業のねらいに迫るセレクト発問をする。】
このセレクト発問なら、意見はほぼ半数に分かれるな、というのは、なんとなく発問する前に、予想できてしまいます。
【発問で、教材研究を授業の中に活かす。】
教師の学びを子どもの意見に合わせて活かす。全部を使わないからこそ、活きるわけです。
(前の1ページを書いた後、ジムに行き、それから吹田の会場に行きました。)
阪急の吹田駅に11時頃につきました。講座開始は13時からなのですが、早めに来て、駅前の飲食店でも入り、昼食をとろうと思っていたのです。
でも、吹田駅の周りには、飲食店がありません。小さな店やコンビニさえないのです。(そういえば、以前、深沢先生の講座で、この駅に来て、同じことを思ったのでした。うかつでした。)
仕方がないので、会場の市民会館へ向かいました。会場にだいぶ近づいたところで、はるか向こうにローソンの看板が見えました。駐車場つきです。やっぱり。
パン・おにぎり・コーヒーを買って、会場へ。会場の1階は広々としたスペースがあり、イスや机が並べられ、自由に使っていいようでした。しかも誰もいません。実は、そこは市民会館ではなく、教育センターでした。
そして、食後、そこのロビーで、この文章を打っているわけです。静かです。
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【初めの挨拶】
運動会が終わり、秋の遠足が終わり、子どもがガタガタ落ち着かなくなる時期になってきました。みなさん、そう思いませんか。
運動会や遠足は、集団行動です。子どもたちは常に集団として扱われます。この時に、勝手な行動をすれば、担任の先生だけでなく周りの先生からも怒られてしまいます。そんな集団行事が終わった普段の日常で、個の主張が始まるのです。 目立っていいことをするのも、悪いことをするのも、どちらも個の主張、自分が認めてもらいたい、という訴えなのです。
でも担任は一人。一人一人全ての個に対応するには限界があります。
そこで授業です。授業の中で、一人一人全員が活躍できる場を保証するのです。
その保証する手だてとして、発問づくり、授業作りについて話させていただきます。
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この「初めの挨拶」は、電車の中で、ノートに書きながら思いつきました。
もうすぐ講座、どう切りだそうと考える中で生まれてきた考えです。こういう考えを持てただけでも、今回、講師の依頼を受けてよかったなと思います。
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【教材研究のやり方】
教材研究には、2つの目的でする教材研究があります。
1.どう授業していいか分からないからする教材研究
2.授業を成立させるために補填としての教材研究
補填としての教材研究は、何を調べたいかがはっきり分かっていますので、時間がかかりません。言葉の意味が分からないから電子辞書を引くとか、どんなものか分からないのでインターネットで画像検索するとかです。
時間のかかるのが、どう授業していいか分からないからする教材研究なのです。
(2007.10.13)