深沢先生が授業作り講座の中で、次のセレクト発問をしました。
「大仏の顔は何回、作り直されたでしょうか。2回、3回、4回。」
正解は4回です。深沢先生はこのセレクト発問を通して、大仏という文化財を残すための人々の努力や思いを分からせたかったのでしょう。
でも、このセレクト発問は、よくない発問です。
なぜかといえば、選択をするための足場がない発問だからです。
2回・3回・4回のどれを選んでいいかの根拠が考えられないのです。
私なら、次のようなセレクト発問をします。答えは分かりませんが。
「大仏が作られたすぐ後、大きな地震がありました。なんと、その地震で大仏の 首が落ちてしまったのです。大きな首ですから、簡単には修理できません。
さて、大仏の首が元通りになったのは、次のいつでしょうか。
数ヶ月後 数年後 数十年後 数百年後」
大仏を作るために、たくさんの費用と労力がかかっています。すぐに修理するのは無理だと、子どもたちは考えるでしょう。
そういう根拠を元に、セレクトできるのです。
答えが数ヶ月後であれば、大仏に込められた民衆の思い、というものを感じることができるかもしれません。(ぜひ、調べてみたいものです。)
(2006.10.18)