戦国時代と刀狩り

 6年歴史の授業プランです。

「戦国時代とは、どんな時代ですか。「~の時代」「~な時代」というように箇条書きしなさい。」(マルチ発問)
・ 弱肉強食の時代。  ・ 武力の強い人が勝つ時代。
・ 自由な時代。    ・ 戦いばっかりの時代。
・ 下克上の時代。   ・ 大変な時代。
「やがて、織田信長・豊臣秀吉によって、天下が統一されました。そして、秀吉は、刀狩りを行いました。武器をすべて差し出せ、という命令です。」
「あなたは刀狩りに賛成ですか。反対ですか。」(セレクト発問)
 挙手だけさせて、ここでは理由を言わせません。
「刀狩りでは、どんな人から武器を取り上げたのですか。」(マルチ)
 農民・商人・盗賊…(宗教関係者は子どもから出ないだろう。)
「戦国時代、神社や寺社の人たちは武器を持っていたでしょうか。」(セレクト)
 持っていました。権益を守るため。武蔵坊弁慶は僧兵です。寺社が座を支配し、利益を独占していました。座を無視して、勝手に商売を始める者がいれば、武装した僧兵によって、殺されたのでした。
 織田信長が、比叡山の焼き討ちなどを行い、座を解体させ、楽市楽座を開いたというのは、画期的なことなのです。
「農民は、武器を持っていたのでしょうか。」(セレクト)
 持っていました。
「商人は、武器を持っていたのでしょうか。」(セレクト)
 持っていました。何しろ、戦国時代は、盗賊が跋扈していました。一番ねらわれるのは、お金や商品を持ち歩いていた商人です。戦国時代は、治安維持ができていない時代です。自分の身は自分で守らなければいけません。ですから、誰もが武器を持っていたのです。
「刀狩りは、誰のための命令ですか。」(マルチ)
 秀吉・農民・商人。あえていえば、みんなのための法律なのです。
「刀狩りの別名を惣無事令といいます。治安維持は、秀吉にまかせておけ。みんなの無事は保証するよ。だから、武器をすべて出せ。というのが、惣無事令、刀狩りだったのです。」
「あなたは刀狩りに賛成ですか。反対ですか。」(セレクト発問)
 刀狩りがあったからこそ、今のお坊さんは丸腰ですし、我々一般人も武器を持たずに、町を歩くことができるのです。
 アメリカや他国の危険さを見ると、日本の平和はとっても貴重なものだと感じられます。信長や秀吉にもっともっと、感謝しなくてはいけませんね。

 この授業プランは、井沢元彦氏の本を参考に組み立てました。

(2006.10.26)