井沢元彦『新・井沢式日本史集中講座』(徳間書店2009.3)を読みました。
中国の『三国志』などを読むと、ほとんど剣を使っています。両刃のほうが使いやすいのかどうかわかりませんが、西洋の騎士も刀ではなく剣を使っています。日本の武士だけ片刃の刀を使い、なぜ彼らが片刃の刀を持つようになったのかは解明されていないのです。
「なぜ日本の武士だけが、片刃の刀を使っているのか」
この疑問に答えられますか。
天皇の三種の神器に、草薙の剣があります。これは、刀ではなく剣です。
井沢氏は、両刃の剣は天皇や貴族が使うもので、片刃の刀は一段劣る武士が使うという差別ではないか、と推理しています。
「かたなの役目」という慣用句があります。「武士の役目。また、武士としての名誉を保つためにしなくてはならないこと。」という意味です。刀はまさに、武士を指しているのです。
一方、剣には武士という意味が含まれていません。「剣光帽影」という四字熟語があります。これは「剣のかがやきと帽子の様子から、軍隊の整然と並んでいるさまをいう」そうです。
剣と刀の違いだけでも、歴史が語れそうです。
(2009.5.3)