人形浄瑠璃を観る

『文楽への誘い』のビデオを子どもたちに一部見せました。
 今の文楽は、別名、人形浄瑠璃といいます。
 文楽では、3人の黒子が人形を動かします。その黒子たちは、堂々と顔を出しています。普通の人形劇のように、人形だけが出てきて、隠れた所から誰かが操っているわけではないのです。
 近松門左衛門の頃の人形浄瑠璃は、1人が1つの人形を動かしていました。
 それにしても、人形がまるで生きているかのように動いています。
 ビデオの中で、「曽根崎心中」が演じられます。
「此の世の名残。夜も名残。死に行く身を譬ふれば。あだしが原の道の霜。
 一足づゝに消えて行く。夢の夢こそ あはれなれ。」
 今ちょうど、名文音読で読んでいるところです。
 実際に演じているところを観ると、
「こ~の~よ~の な~ご~り~。よ~も な~ご~り~。」
という感じで、とてもゆっくりで、一音一音伸ばしながら謡っていました。
 近松門左衛門の頃から今も、人形浄瑠璃が続けられてきたことが、すごいです。
 伝統のもつ重み、歴史のもつ重みみたいなものを子どもたちには、感じてもらいたいものです。

(2010.10.26)