明日の国語では、第3場面を扱った授業をします。(今日は、音読と意味調べをしました。)
第3場面のはさみ読み→気付きの板書と発表→ひとりぼっちのごんと兵十をベン図によって対比→ごんの変化を読みとる→今日学んだこと
先行して隣のクラスで授業してもらってるのですが、1時間ではおさまらなかったようです。確かに無理があります。
ごんの変化は、気付きの発表にからめて扱うことにします。
さて、2組のベン図で書かれたものをピックアップしてみます。
【ごんと兵十の共通部分】
ひとりぼっち・村・食べ物に困る・男・雨の日は外に出ない・よく考えごとをする
「村」は共通ではありません。兵十は村に住んでいるけれど、ごんは森の中に住んでいます。この違いは大きいです。「食べ物に困る」は兵十だけでしょう。ごんが食べ物に困るとしたら、いもをほり散らしたり、いたずらで取ったうなぎをえさとするでしょう。「雨の日は外に出ない」は、兵十が猟師だという推理をするなら共通といえるでしょう。
【ごんと兵十の違う部分】
きつね─人間 あなの中─家の中 しゃべれない─しゃべれる 不器用─器用
きらわれ者─友達や仲間がいる
ごんが不器用だとは言い切れないかもしれない。確かにうなぎをうまくつかまえれなかったことは、不器用といえなくもないが。
「おれと同じ、ひとりぼっちの兵十か。」
このひとりぼっちは、家族がいないひとりぼっちという意味でしょう。
でも兵十には、村の仲間がいるわけです。
そう考えると、ごんは、本当にひとりぼっちということになります。
だからこそ、兵十の栗や松茸をもっていく行為が、つぐないだけでなく、兵十と近づきたい(仲良くなりたい、もっといえば、家族になりたい)という思いが込められていくことになるのです。
さて、ごんの最初のつぐないは、いわし売りのいわしをぬすんで兵十の家に投げ込むことでした。ごんは、つぐないにいいことをしたと思ってます。いいことをしたと思えることをしたのは、ごんにとって、これが初めてだったのです。
でも、それは兵十にとって、いいことではなく、いわし屋にぬすびとと間違われてなぐられるほどの災難でした。
もし、いわしを投げ込んだのがごんだと分かれば、兵十はまたごんぎつねのいたずらかと、思ってしまうでしょう。しかし、実際は、誰がいわしを投げ込んだのか、兵十にはまったく分からないのでした。
ごんも話者も読者も知ってるけど、兵十は知らないことの確認が必要です。
(2008.11.18)