『新しい国語 五下』(東京書籍)に「意味をそえる言葉に目を向けよう」があります。
①練習には八人が集まった。
②練習には八人も集まった。
③練習には八人しか集まらなかった。
①は、集まったのが八人だったということをそのまま伝えています。それに対して、②や③では、「も」「しか」が、それぞれ特別な意味をそえています。
②の「も」は、集まった八人が「思ったより多い人数だ。」という意味をそえています。
③の「しか」は、集まった八人が「思ったより少ない人数だ。」という意味をそえています。
読めば、なるほどと思えます。問題は、これで使えるようになるかは別です。
教科書の文を参考に「しか」を使った文を作りなさい。
これ指示で、ノート作業をさせます。1つ文が書けたら持ってこさせ、正しく書けてるかを評定します。「~しか」のあとは、「~ない」(否定語)で終わらなければいけません。
チョコレートが8個しかもらえた。←これは、×となります。
文が3つ書けた子から1つ板書するように指示しておきます。
板書が出そろったところで、読ませていき、1つの文を選び、
「しか」を「も」に変えて、この文を書き直しなさい。
チョコレートが8個しかもらえなかった。
↓
チョコレートが8個ももらえた。
文末の変化を正しくできたかを確認させます。
できれば、もう一文ぐらい選んで、書き直しをさせてみます。
次に教科書の次の課題をさせます。
「試合の残り時間が5分ある。」ということに対して、次のような意味をそえるとき、どう言うか考えましょう。
・五分という時間が少ない。(試合の残り時間が5分しかない。:荒井)
・五分という時間が多い。(試合の残り時間が5分もある。:荒井)
できるだけ元の文を変えないのがポイントになりそうです。
この後、意味をそえる言葉として、「だけ」「なんて」「こそ」「ばかり」「まで」「ぐらい」「さえ」が、一気に出てきます。「だけ」についてだけ、文を比べた詳しい意味が解説されています。でも他の6つは文例があるだけです。
それぞれの言葉で文を作らせて、全員で交流し合うことが必要になります。
物語や説明文よりも、言語事項の指導により力を入れるべきかもしれません。
(2012.12.9)