スクール・カーストの原理

 堀裕嗣『生徒指導10の原則・100の原則』(学事出版2011.10)は、北海道の中学の先生が書かれたものです。
 今まで知らなかった学級指導に役立つ内容が書いてるので、じっくり読み込んでいきます。まずは、スクール・カーストの原理についてから。
 スクール・カーストとは、学級内のステイタス、要は、個々人の立ち位置を表しています。
「自己主張力」「共感力」「同調力」のどれを持つかで、決まるのです。

自己主張力…自分の意見をしっかりと主張することができ、他人のネガティヴな感度に対してしっかりと戒めることのできる力。
共感力…他人に対して思いやりをもち、他人の立場や状況に応じて考ええることができる力。
同調力…バラエティ番組に代表されるような「場の空気」に応じてボケたりツッコミを入れて盛り上げたりしながら、常に明るい雰囲気を形成する力。

 同調力は、現代的なリーダーシップに不可欠といわれてるそうです。
 次ページに、自己主張力・共感力・同調力のどれとどれを持つかで決まるステイタスを紹介します。並列に書いてあるのは同じ順位となります。例えば、残虐なリーダーと栄光ある孤立は、同じ順位なわけです。

1)スーパーリーダー(自+共+同)
2)残虐なリーダー(自+同)     栄光ある孤立(自+共)
3)人望あるサブリーダー(共+同)
4)お調子者・いじられキャラ(同)
5)いいヤツ(共)
6)自己チュー(自)         何を考えているかわからない(どれももたない)

 概ね教師は、「栄光ある孤立」のステイタスを持ってるのではないでしょうか。
 すると、自己主張ができ、場の空気を読んでボケたりツッコンだりできる子どもは、教師と同じ立ち位置にいることになります。
 ガキ大将的な教師が、子どもたちを統率しやすいのは、同調力をちゃんと持っているからでしょう。
 ただ、同調力や共感力があっても、自己主張し、しっかりと子どもに指導できない先生は、順位3位の人望あるサブリーダーにない、残虐なリーダーには負けてしまうわけです。
 こうしてみると、自分の中で弱い部分があれば、そこを補い、さらに、残虐なリーダーになりうる子の手綱をしっかり握らなければいけません。
一方、6位の自己チューと何を考えているかわからないタイプは、不平不満を抱きやすい位置にいるゆえ、気をつけて見て行かなくてはいけないようです。
 今までにない視点で、学級を見ることができそうです。

(2012.12.24)