基礎日本語辞典で「しか」

 森田良行『基礎日本語辞典』(平成24年7月14版 角川学芸出版)を買いはしたけど、学校に置いていて、ほとんど使えていません。
 この前、国語であつかった「~しか」を調べてみました。

「しか」は打消しと呼応して「Aしかない」の形でその事物・行為以外には存在しない、ただそれだけと限定する。「冷蔵庫の中には野菜しかない/野菜だけある」事実としては同じだが、「……しかない」形式を用いると“他にもっといろいろあることを予想し期待していたのに、何もない。あるのは野菜だけだ”野菜を除いては他に何一つないという、非存在を強調する。
 一方、「だけ」は、単に他を排除してその一点のみを認識する発想であるから、「……だけある」は“それのみがただ一つ存在している”という、唯一の存在事物を認識する表現。「しか」のような、予定していたものが何一つないという意識は伴わない。→ない、~だけ

 このあと、説明は続きます。用例を多く載せながらの説明なので、とてもわかりやすいのです。
 子どもに教える立場としては、あらかじめ、このぐらいのことを念頭に置いて授業したいものです。
 指導書しか読まないようでは、教師をやめるしかなくなるかもしれません。

(2012.12.27)