鎖国による損失・利点

 井沢元彦『江戸文化と鎖国の謎』(小学館2006.7)の中に、日本が鎖国しての損失と利点が書かれていました。

 鎖国による損失
① 外国との接触を絶ったことにより世界の進歩に乗り遅れた。
② 日本人から「進取の気性」「冒険心」「チャレンジ精神」といった精神の積極面を奪い、典型的な「島国根性」の民族にしてしまった。
 鎖国による利点
① 日本文化の熟成が進み、識字率など国民の教育水準を著しく向上させた。
② 外国の干渉を排除することによって、世界にも類例のない長期的な平和を築き上げた。

 利点の②の長期的な平和は、江戸時代に限りです。その平和は未来には破綻することが、損失①で予測できるわけです。
 損失②については、現代まで尾を引いている感じです。
 他国で起こっていることに無関心であり、自分では何もしなくても、今の現状が維持されると思いこんでるところなど、鎖国の影響を受けているのでしょう。
 6年で歴史を教えるときは、いつも「鎖国してよかったか、よくなかったか」を聞くので、井沢氏の主張を参考にしていくつもりです。

(2012.12.30)