「桃花片」の起承転結

「桃花片」を起承転結に分けさせる授業をしました。
 3本線を引かせ、全部まちがってたら3点、1つ合ってたら30点、2つ合ってたら60点、全部合ってたら100点としました。
 これは問題なのですが、列がダーッとできます。
 あんまり考えずに持ってくるので、ほとんどが3点です。
 たまに30点が出ると、「すごい」と歓声があがります。30点とった子は嬉しそうです。ほとんどが3点のなかの30点だからこそ、価値があるのです。
 授業終わり、10分前ぐらいに、ようやく100点が出ました。
 5分ぐらい前から、合っているところは○をつけていきました。
 最後の方は、合っている子に見せてもらってる子も多かったです。
 明日の国語では、なぜそこが起承転結なのかを解説します。
 大人(教師)がやっても、ほとんどが不正解でしょう。私も、向山先生の授業を知らなければ、間違っていました。
 事件が起こるのが「起」です。この「起」には、作品を通しての目標が描かれています。「桃花片」では、息子の楊が、父を超えようと考えるところで「起」が終わります。
 ここが分かれば、転と結は見えてくるのですが。

(2011.11.1)

 桃花片の起承転結をここに記します。

【起の終わりの一文】
 ろくろを自由にひけるようになってからは、楊は、父親にできないことを、今に自分がするのだと、いつも心に思っていた。
【承の始まりの一文】
 若者に成長した楊は、父親から教えてもらいながら、熱心に仕事をはげんだ。
【転の始まりの一文】
 そんなある日、山あいの貧しい農家で世にもまれな名器が見つかったという、うわさが流れてきた。
【結の始まりの一文から、物語の終わりまで】
 しばらくして、楊は、節くれ立った両手の中に、水滴をおしいただくようにした。そして、その裏を返したとき、楊は、あっとおどろいた。
 水滴の片すみに、つつましく記された刻印は、まぎれもなく、楊の父親のものであった。

 父親にできないことを今に自分がすると心に思っていた(起)は、熱心に仕事をはげみ、とうとう自分も頂上まで登りつめたという思いを抱く(承)、そのとき、名器が見つかる(転)。その名器を作ったのは父親だった(結)。結局、楊は父親を超えられなかったのです。

(2011.11.2)