『新しい国語六下』(東京書籍)に、牛山泉「未来に生かす自然のエネルギー」という説明文があります。
11ページある教材ですが、昨日と今日の2時間で終えました。
1時間目は、音読のみです。最初、連れ読みし、自分で1回読ませてましたが、途中から連れ読みだけ、最後の方は一斉読で終えました。
今日はノートに、タイトルを2行の幅で書かせてから、
「こういうメッセージ性の強い説明文には、最初に、何か問題がある、困ったことがある、ってことを提示します。」
どんな問題かをノートに書かせて、発表させました。
ここでは、「人類は近い将来、この地球上で生き続けていくことができなくなってしまう」です。近い将来が題名の「未来に」につながっています。
次に、解決方法を探させました。
「キーワードの言葉は、漢字も入れて7文字です。」
正解は、「持続可能な社会」を作ることです。そのために、自然エネルギーを生かすことが必要という流れになってるのです。その自然エネルギーの一つとして、風力発電のことを詳しく書いています。(これで読み取り終了です。)
でもさらに、この説明文に書かれてるウソを探させました。(つづく)
(2011.12.14)
「未来に生かす自然のエネルギー」に、次の文があります。
日本では、すべてのエネルギー消費にしめる風力発電の割合は、まだ一パーセントとごくわずかですが、それでも少しずつ広がってきています。
1パーセントと言ってるのです。1パーセントで持続可能な社会を作れるなんていうこと自体が、矛盾しています。
さらに、筆者は、この1パーセントをごまかします。
後の方の文に、次の記述があるのです。
今では、大小合わせて十一基の風力発電機が並び、住民が使う電力の七十パーセント以上をまかなっています。
1パーセントが70パーセントに変わっています。読み取りの弱い子は、ここで、風力発電って、すごいなぁ、と勘違いしてしまうわけです。
ここでの住民とは、山形県立川町(現在の庄内町立川地区)のことです。市ではなく町です。さらに現在は、町でもなく地区です。ここは、昔から強風がふく町として有名、とも書いてます。
広い面積があり、強風がふく、そんな場所だから、70パーセントなのです。
では、土地もせまい、風もあまり吹かない都会で、風力発電が成り立つかといえば、絶望的です。なのに、文章の並べ方で、ごまかしているわけです。
(2011.12.15)