高学年指導の心得

 高学年指導の心得を思いつく順に書いてみます。

①授業終了時間を守る。
②授業開始のチャイムが鳴り終わると同時に授業を始める。

 ①と②は、相互に補完し合い、効果を発揮します。そして、①②の順は、この順でしかありえません。
 この2つは、授業中は授業をする。すなわち勉強する、ということを明確に主張しています。
 休み時間に授業を延ばしてすることは、授業中に遊んでいることと同義です。
 授業中におしゃべりしたり、遊んだりした子を叱るならば、休み時間中に授業をする教師は管理職から指導を受けなくてはいけません。
 ところで、授業開始チャイムが鳴り終わる頃には、全員は揃っていません。
 高学年であれば、校舎の4階にクラスがあることが多いです。休み時間終了のチャイムがなってから急いできても、1,2分はかかってしまいます。
 それでも、授業はチャイムが鳴り終わったら始めるのです。
 名文音読をしたり、最初の問題を音読したり、助走問題をしたりしながら、全員が揃う時間稼ぎをします。
 遅れてきた子は授業が始まってるのにで「しまった」と思います。でも2,3分までなら、大目に見るのです。貸しを作っておくのです。
 これが逆に、授業時間が延びてしまえば、教師が子どもに借りを作っていることになってしまいます。
「常に、教師が子どもたちに貸しを作っておく。」
 これは借金の原理と同じです。
 お金を貸してもらった相手には、頭が上がらないものです。何かをやって、と言われたら、断りにくいものです。
「先生は、いつも授業を延長しないで終わってくれる。」
「ぼくらは、いつも授業に少し遅れてしまっている。」
 だから、先生には、頭が上がらない。となるのです。
(もちろん、借りがあることを意識できない子もいます。)

③何をすべきかを明確に伝える。

 大人であれば分かることですが、指示系統・命令系統の下にあるときに、自分が何をしたらいいかを明確に示されないと、いらいらしてしまいます。勝手なことをするのはゆるされないのに、何をしたらいいかも明確に伝えられなければ、身動きできなくなります。ついには、自分判断で勝手にすればいいや、と思ってしまいます。
 指示待ち人間、っていう言葉がありました。
 でもこれは、指示すべき人が明確な指示をしないことに問題があるのです。

(2010.12.17)

 高学年では、女子の扱い方に気を付けなくてはいけません。

④不調を訴えてきた女子には、優しく接し、何度も心配する。 

「先生、頭痛い。」
と、女子が言ってきたら、
「大丈夫?頭痛いのか。保健室行きますか?」
というように、優しく対応します。
 保健室に行かない場合なら、時折、「大丈夫?さっきよりよくなった?」と、何回か声をかけます。
 女の子は、自分が無視されるのが、とても嫌です。
 女子同士の関係で、無視されたり、無視し返したりすることが多いからでしょう。自分の存在を否定されることに、大きな抵抗を感じます。
 たとえ、それが仮病だとしても、だまされてあげるべきなのです。
 心配され、優しくされることで、女の子は安定するのだと思います。

⑤女子同士のトラブルは、相談を受けるまで、静観しておく。

 女子同士のトラブルに、へたに口を挟むと、逆に共通の敵にされてしまうことがあります。どちらの肩を持っても、片方は納得いかないでしょう。両方の肩を持たなくても、不満が残ります。静観しておくのが一番です。

(2010.12.18)