生きる意味を問え

「生きる意味を問うべし」と題する寄せ書きを書きました。

  人がこの世に生を受けるには、何か意味があると、私は考えている。
 自分という存在がこの世で生きていくことで、誰かに迷惑をかけることもあるが、誰かのためになっていることもあるだろう、と。
 高校三年生の夏、私は就職活動をしていた。母子家庭で、身体の弱い母、高校に行けただけでももうけものといえる。
「大阪に夜間の教育大があるの知ってるか。」
友人が私に声をかけてきた。私が教師志望であったことを知っているのだ。
 学校の先生をやりたい、という思いが、友だちのひと言で、ふつふつとわき上がってきた。ほとばしる川のように、石川県から大阪へ。昼は働き夜は大学に通う、そんな生活に身を置くようになった。
 でも充実していた。自分のやりたいことのために努力していくことが、自分の生きている証のようなものだった。努力すれば、いずれ結果がついてくる。それは自分の半生で、心に刻まれたことだ。
 卒業する六年生に、最後に伝えたい。
 自分の夢に向かう努力をあきらめずに続けてほしい。自分がこの世に生きた証をしっかりと刻んでいってほしい。卒業、おめでとう。

(2010.12.27)