1位有利と学習効果

 竹田陽一『「ランチェスター経営」がわかる本』(フォレスト出版2005.10)で、面白かったのは、「1位有利の4原則」と「学習効果の公式」です。
 1位と2位では、利益が大きく変わります。

【上場企業、1人当たりの年間経常利益】

 2位だと知らない名前もあるぐらいです。

【1位優位の4原則】
 ① 効率の良い営業ができるようになる。(広い意味での営業経費のダウン)
 ② 人は1位という言葉に反応する。(口コミ率のアップ)
 ③ 倒産した会社のお客は1位の会社に流れてくる。(同業者のお客の移動)
 ④ 新規で営業しても信用度が違ってくる(新規開拓に有利)

「2位ではいけないんです」と言えそうですね。
 もう一つの「学習効果の公式」とは、

 学習効果=素質×教材の質×学習回数 

 教材の質が悪ければ、いくら学習しても効果は出ない、と作者は言い切ってます。かけ算ですから、教材の質が0なら、全く効果なしです。
「最も大事なテーマについては30~50回くらい学習する」といいそうです。
 ここで、思い出したのは、伴先生の本の読み方です。
 伴先生にとって(TOSSで学んでる多くの人にとって)の最高級の教材は、向山先生の書かれたものでしょう。
 伴先生は、向山先生の本を一度熟読した後は、30秒ぐらいで一冊を読み直すそうです。本を指でパラパラっとめくっていく感じです。
 熟読していては、1日に一冊も読めない本が、パラパラっとめくりながら読むことで、何度も目を通すことができるといいます。
 30秒で読み直したとしても、ラインマーカーで引いた文が、目に飛びこんできたり、今考えているテーマに関わることが引っかかってきたりするそうです。
 一度熟読した本であるから、前に読んだ記憶が、めくりながらよみがえってくるのかもしれません。
 時間のない伴先生だからこその読み方なのですが、たとえ私のように時間があっても、結局、本をとって目を通さなければ、その本に書かれてあったことは、忘れ去られていきます。実にもったいないことです。

(2010.12.31)