5年算数の難関「割合」をどう子どもに乗り越えさせるかも課題である。
元・大阪書籍の『小学算数5年下』では、サッカーで各班が何回ゴールしたかで、割合を導入している。次のような表が出てくる。
教科書では、いきなり1ぱんと2はんの結果を比べる。でもこれは紙面の関係であり、本来なら、1ぱんと4ぱんを最初に比べ、次に4ぱんと5はんを比べるだろう。
1ぱんと4ぱんは、共にシュートした数が同じである。それゆえ、ゴールした数が多い1ぱんの方が、うまくゴールできたと言い切れる。4ぱんと5はんはシュートした数はちがうが、ゴールした数は同じである。ゴールした数が同じであるなら、シュートした数の少ない方がうまくゴールできたといえるだろう。
しかし、1ぱんと2はんを比べるとなると、シュートした数もゴールした数も同じではない。1ぱんの方がゴールした数が多いからといって、2はんの方がシュートした数が少ないからといって、どちらのはんがうまくゴールしたかは、判別しにくいのである。この判別を簡単にする方法が「割合」なのである。
教科書の中で、もえさんが「ゴールした数がシュートした数の何倍になっているかでくらべました。」と言っている。この何倍かで比べるということ自体、いきなり感がある。何倍かを比べることで、どちらがうまいかが、なぜ分かるのだろうか。
むしろ、ここは分数を使った方がいいように思う。
1ぱんは、40回シュートして19回ゴールしたのだから、19/40。
2はんは、34回シュートして17回ゴールしてのだから、17/34。
19/40と17/34は分母がちがう分数なので、比べられない。
そこで、それぞれを小数にする。
19/40=19÷40=0.475
17/34=17÷34=0.5
34回中17回ゴールした2はんの方が1はんよりうまくゴールできていることが、このことから分かる。
この分数に直す方法が、割合の全ての問題で使えるかどうかである。
割合を出すときは、分数でいいかもしれないのが、もとにする量やくらべる量を導き出すときに、同じように分数を使えるかどうかである。
40×□=19 □=19÷40=0.475
というような考え方もある。
この後の教科書の問題も解いていってみようと思う。
(2009.12.29)