文の高さ

 教科書(光村)に、次の文章があります。

ゴールを決めた選手が両手を広げて走っています。ユニホームは風をはらみ、口を大きく開けて、全身で喜びを表しながら走る選手の様子がよく伝わります。アップでとると、細かい部分の様子がよく分かります。

 3つの文の内、一番高い文はどれでしょうか。一番大切な文といってもいいでしょう。高さで表すと次のようになります。

【まとめ】アップでとると、細かい部分の様子がよく分かります。(A)
     【例】ユニホームは風をはらみ、口を大きく開けて、全身で喜びを表しながら走る選手の様子がよく伝わります。(B)
       【補足説明】ゴールを決めた選手が両手を広げて走っています。(C)

 Aの文の例として、Bがあります。CはBのための補足説明です。Cの文をAの文例とするわけにはいきません。なぜなら、ゴールを決めた選手が両手を広げて走る場面は、アップでもルーズでも見えるからです。
 授業では、まとめの文Aから、別の例を子どもに挙げさせようと考えています。
 例えば、「顔をアップでとると、細かいしわがよく見えます。」というように。

お年寄りの顔が写っています。目尻にはしわが何本もはしり、顔色はうす茶色にくすんでいます。アップでとると、細かい部分の様子がよく分かります。

(2008.12.5)