京都セミナーの感想

 先週の土曜日に参加した京都セミナーの感想を原稿依頼されていたのを書き上げました。

〈イベント修行〉第5回とっておきの授業&学級づくりセミナーin京都
価値ある無理をする
                   大阪教育サークルはやし 荒井賢一

「負けるが勝ち。」 「普通の声で読んでは駄目だ。無理をする。」
「負けるが勝ち。」 「そう、素直な子は伸びる。」
 3連休の中休み、200人もの先生方が、京都教育大附属小学校に集まっていました。東北から九州からも来られています。
 それほどの無理をしてまで来るだけの価値が、このセミナーにはあるのです。 何しろ名だたる5人の先生による授業を生で見ることができるのです。
 杉渕鉄良先生の音読指導の授業からは、子どもののせ方、巻き込み方を学ばせていただきました。子どもの表現を認めながら、さらに高めていくための挑発をされています。間のとり方、瞬時のきり返しなど、授業実践を読むだけでは学べないことがいっぱいありました。
 佐藤幸司先生の道徳授業は、「ぼくでも追試できるんじゃないか」と思える授業の組み立てでした。子どもの生活経験を出させ、ゆったり対応しながらも、授業のねらいにいつのまにか迫っているのです。チキンライスの生ギター伴奏も聴けて良かったです。(これは真似できませんが。)
 土作彰先生の理科授業は文句なしに楽しめました。コカコーラをペプシコーラに変えるおふざけ実験をした後に、それを森の水に変えたところが、展開の妙です。いいネタも見せ方・出し方で、そのネタの価値が変わってしまいます。
 深澤久先生の「作法」を教える道徳授業は、世のため人のため、私たち教師がやっていかなければいけない授業です。私の通っているスポーツジムの更衣室にトイレがあります。スリッパが揃っていたことは今までに一回もありません。これが現実なのです。子どもたちに考えさせながら実演させながら、深澤先生のように授業していきます。
 71歳になられる野口芳宏先生。でも、凛とした授業なのです。野口先生の張りのある声を聞くだけで、子どもたちの背筋が伸びていました。真摯に学ぶこと、価値ある無理をしていくことの大切さが、授業を通して身に沁みてくるのです。国語であるけれど、道徳力がある授業でした。
 このセミナー、毎年開催されているようです。どんな無理をしてでも、来年も参加したい。スタッフのみなさん、ありがとうございました。

「価値ある無理をする」を中心テーマとしました。 

(2007.12.1)