若手教師に伝えたいこと

 11月25日(土)に豊中での講座で、15分のミニ講座をさせてもらえることになっています。対象は、若手教師です。
 とりあえず、若手教師に伝えたいことをいくつか書いてみます。

1) 実践埋没型の教師になってはいけない。
 日々の授業や学級経営そして行事の準備に追われ、朝晩もそのことばかりに時間を使う。忙しさのせいか、何とか終わらせた授業をしてしまう。自分の授業のやり方が正しいか間違っているかを確かめる余裕もない。若さというエネルギーだけで毎日をすごす。十数年たち、若さのエネルギーもなくなり、経験でやっていかないといけない時に、場当たりの経験だから、応用が利かない。
 そうではなく、日々の授業を見直す努力をする。教育書を読み、いい実践というものを知る努力をする。
 そのためには、効率ということも考え、短時間で仕事をこなせるようにしていく。時間を作り、教材研究の時間をとり、自分の実践を見直す時間をとり、学習会にも参加し、自分の教養をつけるための本も読む。
 短時間で授業作りをする方法の一つとして、マルチ発問とセレクト発問を使ってみてほしい。
2)段取り力をつける。
 場当たり的な追われたような仕事の仕方では、教師の力量はアップしていかない。自分の行動を自分で管理してやってみる。やらなければならないことをピックアップし、どれを優先してやるか、どれはやらなくていいか、どれは手を抜くか、そして、どの順でやるかを決める。これが段取り。
 授業にも段取り力が活かされる。どの発問から入り、どんな作業をさせ、どう終わるか、それを考える。発問をただ並べるだけでは、学力はつかない。盛り上がった授業にもならない。
 マルチ発問で内部情報を蓄えさせ、セレクト発問で学びに迫らせる、という段取りも一つの方法である。
3)自分の実践をさらす場を持つ。
 自分の授業を録音したり録画したりして振り返ることはできる。ただし、正しい分析はできない。やはり他人の目で見てもらい、批評してもらうことが必要。
 改善点を言ってもらうことも大事。ほめてもらうことも大事。
 サークルに参加し、自分の実践をレポートしてみてもらことで、自分のやったことを客観的に分析することもできる。
 自分の実践をさらすということは、自分自身をさらすことと同じである。それはつらいことでもあるけれど、大きな学びにつながる。
 日々の悩みを質問として出し合える相手を持つことが、教師人生を快適に生きる秘訣とも言える。

(2006.11.14)