日本教育技術学会での小森先生の授業が、一番印象に残っています。
①二酸化炭素の中に、火をつけたろうそくを入れると、どうなるか。
ア 激しく燃える イ 普通に燃える ウ 火が消える エ その他
(以降、選択肢は同じ。気体は試験官の中に入れました。)
②窒素の中に、火をつけたろうそくを入れると、どうなるか。
③ブタンの中に、火をつけたろうそくを入れると、どうなるか。
④水素の中に、火をつけたろうそくを入れると、どうなるか。
⑤酸素の中に、火をつけたろうそくを入れると、どうなるか。
ブタンが出てきた時、ドキッとしました。ブタンガスに火をつける実験をやったことがあるので、当然、燃えるだろうと、私は考えました。
しかし、ろうそくの火は、試験管の中では消えたのです。
試験管の口の上では、火がついています。でも、ろうそくの火は消えるのです。 次は、水素です。その他の意見として、「試験管が爆発する」というのも出ていましたが、そうなるかもと思ってしまいました。
「水素は軽いので、すぐに逃げてしまいます。」
この時は、立てたろうそくの上に、試験管を逆さまにして入れていきました。
「ポンッ!」
と、音が鳴った後、試験管の中のろうそくの火は消えていました。
⑤の酸素では、激しく燃えます。(これは当然そうなるだろうと思ってました。) ここで、小森先生のまとめが入ります。
( )がないと、ものは( ) 。
授業の組み立ての妙が、ここで見えるのです。
正解は、「酸素がないと、ものは燃えない。」です。
だから、ブタンや水素の中でも、火は燃えなかったのです。
さらに、恐ろしい実験を小森先生はされました。
酸素と水素を一緒に爆発させる実験です。
酸素と水素を注入したシャボン玉に火を付けるのです。
結果は……。
知りたいでしょ、授業を受けている皆が同じように思ったことでしょう。
バーン!と大きな音を出してシャボン玉が火を噴きました。
「スペースシャトルは、酸素と水素を爆発させたエネルギーで宇宙に飛び立つ。」 これが、最後のまとめです。
こんな理科授業なら、子どもが理科好きになるのも、当たり前です。
この実験、追試してみたいです。(ちょっと怖いですが。)
(2004.11.21)