斎藤孝さんは『子どもの集中力を育てる』(文藝春秋)の中で、子どものレスポンス(応答)能力が弱まっていることを指摘しています。
それを端的にあらわすのが、まずあいさつができないということです。相手の存在を認知して、こちらから行動し、相手に自分の存在を知らしめる、そういう行為ができにくくなっています。
私塾を始めてみて、もっとも驚いたのがそのことでした。最初に、みんながそれぞれの名前を覚えるために、一人ずつあいさつをして、相手の名前や好きなことを言い合うというゲームをやってみたのですが、ぼうっと立ったまま口を開かない、動かない子が半分以上いました。(P.101)
斎藤氏は、このことがいじめの土壌をつくっているのではないか、という指摘もしています。さらに、「自分たちの生ぬるい価値観の中でただよっていたいので、他のものにかかわることに対して、面倒くささを覚える。」というように痛烈な指摘をされています。
(さて、ここまでが「問題点の提示」と「問題点の炙り立て」です。斎藤氏の書 く解決策と私の考える解決策は、明日の考現学で紹介します。)
(2004.11.27)