ある本の「なぜ勉強するの?」と聞かれたら…の章にある文を紹介します。
たとえば、子どもにみっちり計算をさせるインドでは、現在では世界でもトップレベルのコンピューターソフト開発国として知られている。電卓で代わりになるからと計算をバカにしていると、かえって時代の要請する能力がつかないかもしれないのだ。
最近の認知心理学という、人間の知的活動について研究する心理学でも、人間は知識を使ってあれこれ考えてみることで、問題解決を行う生き物だと考えられている。考える材料である知識が十分でないと、どんな時代でも、そのとき、そのときの課題に対応できないのだ。また、あれこれと考える習慣をつけておかないと肝心の知識を役立てることはできない。
この本のタイトルは、『中学受験は親で勝つ わが子を合格させる50の必勝法』(産経新聞社)で、和田秀樹氏が書いたものです。
もう少し引用してみましょう。
もう一つは、「国のために勉強をする」と言ってもいいということだ。
アメリカのブッシュ大統領にしても、クリントン前大統領にしても、子どもが勉強をして、学力をつけることは国家目標だとはっきり言明している。イギリスのブレア首相も同様である。最近、IT分野で注目を集めているフィンランドやスウェーデンは、ソ連が崩壊した際、自分たちの国が生き延びるために、理数教育に全力をあげた結果が出ているとされている。
これらの国々に共通しているのは、政治家たちが「国のために勉強をしろ」とはっきり言ったことである。親たちも「勉強をちゃんとしないと国がダメになってしまう」と言い聞かせているのだ。
勉強することは、自分の将来のためであり、そして、国の将来のためでもあるのです。教師が、子どもに勉強させることは、その子と国の将来のために、どうしてもしなければいけないことなのです。
今、勉強をきちんとしていないからこそ、日本という国がダメになっていってるように思います。
そして、国がダメになっていっている責任が、教師である私にもあるわけです。 自給自足ができない日本は、労働力だけでは、国として生きていけません。
今の日本は、産業が知的に優れているからこそ、生きて行けているのです。
中国がどんどん進化している今、このままでは日本は中国の労働力となってしまうかもしれません。教育によって、何とかしなくてはならないのです。
(2001.11.26)