ヤドカリとイソギンチャク

 東京書籍4年上の説明文・武田正倫「ヤドカリとイソンギンチャク」を明日から学習します。

 ヤドカリのなかまで、さんご礁に多いソメンヤドカリは、貝がらにイソギンチャクを付けて歩き回っています。観察してみると、ソメンヤドカリは、たいてい二つから四つのベニヒモイソギンチャクを、貝がらの上に付けています。中には九つもイソギンチャクを付けていたヤドカリの例も記録されています。このようなヤドカリのすがたは、いかにも重そうに見えます。
 なぜ、ヤドカリは、いくつものイソギンチャクを貝がらに付けているのでしょうか。

 2段落が、問いの文になっています。
 答えの文は、6段落にあります。

それで、ヤドカリは、イソギンチャクを自分の貝がらに付けることで、敵から身を守ることができるのです。

 この答えの文から、問いの文の答えに料理すると、
「敵から身を守ることができるから。」となります。

 では、ヤドカリは、石についたイソギンチャクを、どうやって自分の貝がらにうつすのでしょうか。ヤドカリが、イソギンチャクのはりでさされることはないのでしょうか。

 7段落に再び、問いの文があります。ただし、2つあります。
 でも結局同じことを聞いているので、2つを1文に変えることができます。
「イソギンチャクのはりでさされることなく、ヤドカリは、どうやって自分の貝がらにイソギンチャクをうつすのでしょうか。」
 ただ、答えの段落を見ると、この問いにはうまく答えられません。

すぐ近づいてきて、あしを使ってイソギンチャクの体をつついたり、両方のはさみで引っぱったりして、イソギンチャクをはがしてしまいます。そして、かかえるようにして自分の貝がらの上におし付けるのです。ずいぶん手あらな方法に見えますが、イソギンチャクはしょく手をのばしたままで、いかにも気持ちよさそうに見えます。はりもとび出しません。

 イソギンチャクは、ヤドカリだけを特別扱いしてるわけです。

 では、イソギンチャクは、ヤドカリの貝がらに付くことで、何か利益があるのでしょうか。

 移動することで、えさをとる機会が増えること、ヤドカリの食べのこしをもらえること。この2つが利益としてあげられています。
 こういうのをたしか、共生というのでしょう。
問いがあり、答えがあり、その答えからさらに問いが生まれるという構成になっています。説明文としては、読み解きやすい部類に入るでしょう。
 教科書の手引きも問いと答えを見つけさせる内容になっていました。

(2013.5.23)