「正」から始まる話

 今日の終業式で話そうと思うことです。

 いきなり問題です。
 横・縦・横・縦・横の五画でできる漢字は、何という漢字でしょうか。
 そう「正(セイ)」の字、「正しい」の「正(セイ)」ですね。
 正(セイ)の字に「月」という漢字をつけると、何と読みますか。
 そう、「正月」です。(「正月」と書いたお年玉袋の裏を出す。)
 お正月になると、みんないいものをもらいます。何ですか。
 そう、「お年玉」ですね。(大きいお年玉袋を取り出す。)
 もしかしたら、お年玉で、こんなものを買う人がいるかもしれないね。
(お年玉袋から、カラーコピーした大きな遊戯王カードを裏向きに出す。)
(表向きにしながら)そう、遊戯王カードです。
 お年玉もらったら、買おうと思ってる人?
 こんなにいるんだね。でも……気を付けてください。
 とっても悪いことなんだけど、みんなの買った遊戯王カードを取ろうとねらってる人もいるんです。
 カードだけじゃありません。みんなのお年玉を取ろうとねらってる人もいます。(小さい声で)気を付けないとね。
 人の物をとることは、悪いことです。でも、心の弱い人がわるいことをしちゃうんですね。
 心の弱い人に泥棒をさせないためにも、自分のお金や買った物は、しっかり大切に持っておきましょう。自転車のカゴなんかに置きっぱなしにしちゃダメだよ。
 お正月の「正月」は、「正しい月」と、書きます。
 みんなが正しい心で、いい新年・21世紀を迎えましょう。

「正」という漢字は面白いです。
 まず書き順が、横・縦・横・縦・横と交互になっています。
 ちなみに「五」という数字も横・縦の交互ですが、三画目で折れ曲がるので、四画の漢字になっています。
「正」の漢字で、読み方の違う言葉を作ってみると、
 正しい・正義・正月・正に
と何種類か作れます。
「正月」というのは「正しい月」なんだな、というのはとてもうなずけます。
 なぜなら、新年を迎えた時、「今年こと、いい年にしよう」と心を一時的にしろ入れかえるものですからね。

(2000.12.22)