国語2年「虫を食べるしょくぶつ」の2時間目です。
この前は、漢字指導に時間をかけたので、私が1回範読した程度です。
題名の上に○を10こ書かせて置きました。
今回は、その○を何個ぬっているかの確認から入りました。
0回が5人以上いました。10回は1人。
前の日、子ども達の音読を少しだけ聞きました。とてもへたでした。
第一に、声がそろってない。さらに、読み方がたどたどしいのです。
そこで、まず連れ読みから入りました。
連れ読みのあとは、男女交代読み。立って座ってのくり返しです。
これを2回やると、1人1回読んだことになります。連れ読みと合わせると、合計2回読ませたことになります。
男女交代読みを聞いていると、男子の中に1人、音読の声が大きくて、しかも速く読む子がいました。学級のボス的存在です。仕切りたがる子と言ってもいいでしょう。
ただ、周りがその子の速さについていけないので、どうしても男子の読みが、バラバラになっていきます。音読の遅い子は、ついていけなくて、少しイライラしていました。
『声がそろっていません。他の人の声を聞きながら、読みなさい。』
教師の声にそろえて読ませる方が、いいのかもしれませんね。
まだ1回もノートを使わせてないので、1つだけ問題を出しました。
でもそんなに音読させてませんから、難しいことは聞けません。
『ノートに植物の名前を3つ書いたら、持ってきなさい。』
①②③と板書して、箇条書きにすることも指示しておきました。
「えっ、植物って、何?」
こういう子がいるから、この問いが必要なのです。
教材文には、「ふつうのしょくぶつは、」という表現しかなく、普通の植物の例が載っていないのです。
ふつうのしょくぶつは、土の中の水やよう分を、ねからすい上げます。そして、大きくなったり、花をさかせたり、みをむすんだりします。 (学校図書)
3つ書いてもってきた子から、1つだけ板書させていきました。
これは向山型板書法です。
『書けたら上か下かに、名前を書いておいてください。』
ほぼ全員が書いたところで、右から順に花の名前を言わせていきました。
「ひまわり」「たんぽぽ」「サラセニア」「あさがお」「ちゅうりっぷ」…
見事に、ふつうの植物の名前が並びました。
(板書を見るだけでも、子どものいろいろな実態が見えてきます。例えば、チューリップを「ちゅうりっぷ」と平仮名でしか書けない子や、「サラセニア」という難しい花の名前まで知ってる子、など。「サラセニア」って書いた子は、この授業のあと、毒キノコの名前をいっぱい書いて持ってきました。)
このあと、板書されてないものを追加で発表させ、次のように問いました。
『これらの植物は、どうやって養分をとっていますか。教科書に書いてある言葉 で言いなさい。』
手をあげた子を当てていきました。
「土から養分をとってる。」
「水とか土から養分をとってる。」
などのように、全然、教科書を見ずに答えています。
『先生は、教科書に書いてある言葉で言いなさい、って言ったんですよ。』
すると、いつも横から口出して来るやんちゃ坊主が、教科書の文を指さしながら、「土の中の水やよう分を、ねからすい上げます。」と、読んだのです。
『その通り。○○くんはえらい!ちゃんと教科書の文を見て答えました。こうい う子が勉強ができるようになる。』
この数分後、この子をきつく叱ることになるのですが、この時はほめることができました。
(1999.11.7)